冒険記録日誌
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2005年03月25日(金) ブラッドソード2 魔術王をたおせ!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その3

(ネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 灰色のレディの住む城は、南へ1日くだったところにあるらしい。
 宿敵を倒しに行くというのに、老騎士(ヴァラダクソールという名前だ)はまるでパーティにでも出かけるような、はしゃぎっぷりだった。老人の昔の武勇団をとうとうと聞かされ、モリスだけは合図うちをするのを忘れなかった。
 一晩をすごすと、翌朝の未明には城にたどり着いた。
「わが兄弟たちの魂よ。我々の戦いぶりを見ていてくれ」
 ヴァラダクソールが宣言をしてから、先陣をきって門をくぐる。 
 階段を上がると、広間の中央にいきなり灰色のレディがいた。名前に違わず、真っ白な髪と肌をした女だ。
 だが、様子が変だ。夜明けの光にあたっている為に、動けないらしい。
「この機をとらえて殺さねばならん!」
 ヴァラダクソールは剣を振り上げて突進し、灰色のレディを叩き割ろうとしたが、彼も金縛りにあったように動かなくなった。

───すぐに私の城から出ておいき。さもないと地獄の軍団が襲い掛かるわよ。

 突然、灰色のレディの声が脳裏に響いてきた。動けなくても魔力はあるようだ。
 単なるおどしとは思えないが、いまさらヴァラダクソールを見捨てるわけにもいくまい。各自、武器をかまえる。
 からっぽの鎧が生命を持ち、ガチャガチャと動き始めて立ちふさがる。こいつらを倒さないとヴァラダクソールと灰色のレディの傍には、近づけそうもない。
 モリスとバーガンが必死で応戦するが、鎧の化け物は硬くて傷一つつけられない。リー・チェンが、灰色のレディに向かってソードブラストを放つが、彼女は魔法の障壁を作って跳ね返した。
 その一瞬、ヴァラダクソールの麻痺の魔法が緩んだらしい。老騎士の鋭い剣が灰色のレディの首を刎ねた!
 首から灰を吹き上げながら崩れ落ちる灰色のレディ。彼女の死とともに、鎧の化け物の動きも止まった。
「これで、わしの兄弟の魂も浮かばれることだろう」
 老騎士は感慨深げに立ち尽くしていた・・・。

 そのころ現実的な冒険者一行は、財宝がないかとすでに城内の捜索を始めていた。
 まもなく、地下に降りる隠し階段をバーガンが発見した。降りてゆくと扉が二つと小さな悪魔が待ち構えている。
「おれのご主人を殺したな」
 小さな悪魔は言った。
「だが、契約が終わらないかぎり、俺は命令を守らなくてはならん。扉の一つは財宝。もう一つは恐ろしい運命が待っている。正しい扉を知りたくばこれから言う謎をとけ」
 悪魔は謎かけの言葉を言った。それに対してオリバーが代表して答える。
「違うぞ」
 悪魔は襲い掛かってきた!小さいがすばしっこい。
 辛うじて倒したが、戦いの最中にモリスが尻尾の毒針を打ち込まれて倒れていた。オリバーが駆け寄ったが、すでに死んでいる。
 ひどいことになった。だが、死んでしまった者は元に戻らない。

 扉を開いて、宝箱を開けてみる。そこには奇妙な光景があった。5本の腕がインクのような池から生えていて、それぞれ赤、青、灰色、金、白の球を握っていた。
 突然割れ鐘のような大声が部屋中に轟く。
「これらの球には魔法の力が詰まっている。赤は虐殺、青は死、灰色は疫病、金は贈り物、白は大火だ。一つ持っていくがよい!心して選べ」
 “贈り物”が安全そうだと思い、金の球を取り出した。残りの球は、腕ごとインクのような池に沈んでいった。
 さっそく、金色の球を使ってみる。球は暖かい金色の光をはなってから消滅した。
 なにもおこらない。悪態をつきながら扉を出る。
 すると・・・
 なんと・・・
 モリスの死体がピクピクと動き出しているではないか。仲間が集まると、彼は目を覚ました。
「どうしたんだ。俺」
 事情がわからないといった風情の彼を、仲間達はきつく抱きしめた。

続く


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 ブラッドソードの世界でのキャラクターの“死”は、わりと厳しいです。
 第一巻に一度だけ死者を生き返らせるアイテムが存在しますが、ほとんどの場合、死んだら冒険から脱落してしまいます。
 その点、今回は非常に運が良かったです。奇跡的といってもいいでしょう!金色の球の効果はいつもバラバラで、仲間が生き返るのはサイコロを1つ振って、1が出た場合だけの効果ですから。
 冒険が終わってから調べると、一番選ぶと良い球は金色の球じゃなかったようですが、今回に限っては最も良い結果だったようです。
 そもそも謎かけに正解していれば問題なかったのに、という突っ込みはなしで。


山口プリン |HomePage

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