冒険記録日誌
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2005年03月12日(土) 次元からくり漂流記 タイムマシン冒険号発進(高野富士雄/双葉文庫)

 この作品自体は少しマイナーですが、著者は他に「地底階層王国シリーズ」や「ねこまんまのポチシリーズ」、それに「魔界横断ドラゴンラリーシリーズ」などを書かれた高野富士雄さんです。(えっ、どれも知らない?)
 そういえばゲームブック風CDの時以外で、高野富士雄作品をまともに冒険記録日誌で話題にするのは初めてですな。当時は恐ろしく多作なゲームブック作家だったのに。一時は2ヶ月に1冊という恐ろしいペースでゲームブックを発売していて、樋口明雄や池田美佐に並ぶ双葉ゲームブックの代表的な作家の一人となっていたのですね。
 でもなーんか私は手を出す気になれなかったのです。
 それなりに世界観は好きな作品が多かったので、彼の作品は発売当時にはパラパラと立ち読みくらいはしましたけど、ゲーム性の方がいまいちに思えて、いずれも購入までは至りませんでした。
 でもマトモに遊んだこともないので、本当は面白いのかちゃんと遊んで判断してみました。

 次元からくり漂流記の主人公は小学生の3人組です。それぞれ、わんぱく小僧のダイスケ、可愛くて生意気な女の子のくりりん、頭脳明晰なハカセというキャラになっています。
 ある日図書館の掃除をしていた3人組が、一冊の古びた本を発見します。ハカセによると、この本は時間跳躍之機会製造法、つまりタイムマシンの作り方を書いているそうで、3人はタイムマシンを組み立てて過去の世界へ冒険の旅に旅立つというのが粗筋です。
 車一台作れない小学生がそんなの作れるんかい!とつっこまないように。現代人が過去の歴史を見物に行くというストーリーはよくある話しです。この作品はなんとなく児童小説みたいな雰囲気がしました。
 しかし、ゲームとしてみるとほぼ一本道のストーリー展開で、選択肢でも片方がバッドエンド行きか、どれを選んでも大差ないものばかり、というのが不満です。何度遊んでもまったく同じ展開になってしまうので、戦闘などでゲームオーバーになると、もう最初からやり直そうという気力が湧いてこないのです。
 冒険の舞台も序盤は平安時代とかにタイムスリップをしていたのですが、そのうち“次元からくり漂流記”の名前に違わず、そのうちいつの時代とも思えない妙な妖怪が住んでいる異次元の世界に到着するようになるという展開になります。個人的にはファンタジーに走らずに、ちゃんと時代考証を考えて作られた作品にしてほしかった気もします。
 まあ、もともとは小学生向けの作品という印象なので、歳を食った私があれこれ思ってもしょーがないかもしれません。もしかしたら小学生だった当時の私がちゃんと読んでいだら夢中になっていたかもしれませんね。
 尚、この作品を原作としてゲームブック風CDシリーズ第3弾が発売されていたようです。ゲームブック風CDなら、案外丁度いい感じになるかも。一度聞いてみたいですが、恐ろしく入手が難しそうです。


山口プリン |HomePage

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