冒険記録日誌
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2005年03月07日(月) 終末の惑星 遥かなる西の帝国(塩田信之/双葉文庫) その7

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)

 あんまり根掘り葉掘りストーリーを書いてもなんなので、少し割愛。

 僕と同じ少年達で構成されている赤の盗賊団を仲間にした僕は、彼らの力を借りて世界を分断する西の壁をわたることになった。もちろんファムも一緒だ。
 ついに到着した西の壁の向こうは、遥かに近代化された都会だった。壮大で華麗な未来都市。
 そして何台ものパワードメタルが僕らに襲い掛かってきた。すでに赤の盗賊団の連中は必死で交戦中だ。
 なぜ、問答無用で襲い掛かってくるのだろう。僕らが侵入したことがそんなに大変なことだったのだろうか。
 僕は、ドラグーンをボバリングで走らせながら、走れるところまで走った。
 走りながら、この未知の世界を眺めた。
 チリ一つない清潔な町並みだったが、人気もない。ここには不思議に病的な印象だけが残った。
 ボバリングの燃料が切れた。僕はすぐさまファムを抱えて、連中に気付かれないようにドラグーンから脱出して走り出した。
 追っ手のパワードメタルがドラグーンに向かって、集中砲火を浴びせてきた。僕の背中に熱い衝撃が走り、意識が薄れていった。背後のドラグーンが爆発したのだ。

 どのくらい時間がたったのか。かすかに僕の名前を呼ぶ声がする。
 僕はどこかの民家で目を覚ました。看病してくれていたらしいファムが心配そうに僕を覗き込む。
 「ファム。僕の名前を呼んだのは君か」
 ファムは首を振る。ファムの背後から、お婆さんがやってきた。
 「目が覚めてよかった。温かいスープなどいかかがかね」
 僕はお婆さんに聞いた。僕らを助けてくれた理由。そしてこの世界のこと。
 「たいしたことじゃないよ。ただこの世界が嫌だから、壁の向こうから来てこの世界から敵にされているお前達を助けたかったんだ」
 「どうして、こんなに立派な文明なのに」
 「きっと文明は行き過ぎると毒になるのだろうね。昔はそうじゃなかった。けどこの国を支配する王が文明に取り付かれてから、ここは地獄そのものなんだよ」

 家でついていたテレビが自動的について緊急放送へ変わった。国王が呼びかけている。
──アル。大人しく出てくるんだ。
 「なんだろうねぇ。こんな子供一人のために緊急放送まで使って」
 お婆さんは呆れ顔で呟いた。
 本当になんで僕のために。それに、この世界に来たばかりの僕の名前をなぜ知っているのだろう?
──繰り返す。出て来いアル。貴様の仲間達は間もなく処分されるのだぞ。
 画面が切り替わった。赤の盗賊団の皆が次々とレーザーに貫かれていく。悪夢のような光景が写った。
 盗賊の首領は恋人の死骸を抱えて何か叫んだ。そして恋人を殺したパワードメタルに走った。そして何かを口で引き千切ると、そのパワードメタルを巻き込んで彼は自爆した。
 映像はそこで終わった。
 僕は絶叫した。喉も裂けんばかりに。
 そしてお婆さんに王のいる宮殿を教えてもらうと、僕は王と決着をつけるために走っていったのだ。

 王の宮殿は門番すらもおらず、ガランとしていた。王の自信の表れだろう。
 僕は剣を構えると、宮殿内に潜入する。
 宮殿内は迷路のような構造だった。そして迷ううちに時間切れとなったのだ。

 END(ここで最初からはあんまりなので、壁を越えたシーンに戻ってから続く)


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 この作品、ストーリーは中盤が凄く盛り上がるんです。
 それだけに王の宮殿に直接王を退治しに行く展開も、そこが無人の迷路というのも、どちらもありえないって感じで水を差してます。
 一応、迷宮では四人の兄弟がそれぞれ門番として道を塞いでいるのですが、「ネバーランドのリンゴ」のようなファンタジー世界ならいいかもしれないですけどねぇ。もうちょっと違う手段を考えてほしかったな。全体的には最高に面白い作品だけにこの点だけは残念です。
 それに最後の迷宮もしっかり1パラグラフ毎に時間ポイントが経過するので、よくタイムオーバーになるのもつらい。
 ここまできたら、時間ポイントなんて無視しても良いような気がするんですがね。


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