冒険記録日誌
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2005年03月06日(日) 終末の惑星 遥かなる西の帝国(塩田信之/双葉文庫) その6

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)

 五度目のプレイ。
 順当にレベルアップをしたあとに、さがしていた“キールビー”が見つかった。
 洞窟の町のさらに奥に向かうと、そこは迷宮になっていた。ここはあけやみの森と同じく、1パラグラフ毎に時間ポイントを消耗するらしい。
 そんなに複雑な迷路ではないとはいえ、迷っている時間の余裕は無いのでつらい。なんとか目的地、パワードメタル「ドラグーン」の前に到着したときはほっとした。
 最終戦争前から存在したと思われるこのドラグーンは、武装もしておらず細かいサビこそあちこちにあるものの、十分に稼動できる状態だった。興奮を抑えて“キールビー”をコクピットに差し込むとドラグーンは迷宮の天井から飛び出し、外の大気を吸った。これで怖いものなしだ。
 そのままリルルのさらわれている北の民族の本拠地へ一直線に向かう。
 北の民族の男達はパワードメタルの急襲に右往左往していた。
 「リルルはどこだ!」
 僕は拡声器で大声をあげた。すると、ひときわ体格の良い一人の大男が、こちらに突進してきたではないか。
 「ウオォララァ!」
 奇声とともに男が、パンチをドラグーンのボディに叩き込む。ドラグーンがビリビリと振動した。素手なのに恐ろしい力だ。
 すぐに僕は、男をパワードメタルの腕で吹き飛ばした。男はカッキリ40メートルは吹き飛んで倒れたが、すぐにヨロヨロと起き上がった。
 「ぐっ、パワードメタルなんぞでこのゴワワを倒そうとは。卑怯な」
 ゴワワ。奴は族長だったのだ。僕はコクピットのハッチを開けて、地面に降り立った。
 「ほう、その玩具に頼らずに戦うのか。感心だな。・・・こいっ!」
 そして死闘が始まった。他の北の民族の男達は、固唾を飲んで戦いを見守っている。
 しかし、すでにドラグーンの一撃でゴワワは、少なからずダメージを負っていたのだ。やがて、ゴワワの胸に僕の剣が突き刺さった。
 「こんなガキに・・・俺がやられるとは・・・」
 僕はリルルを返すように迫った。
 「リルル・・・。ああ、あの小さな女の子か。もう人買いに売り渡した。今ごろはあの遥かな西の壁の向こうだろう・・・」
 ゴワワはそう言うと息絶えた。
 そのとき殺気を感じて身をかわすと、つい先程の位置に棍棒が振り下ろされた。
 みると涙を流しながら、男が棍棒をかまえている。
 「きさま、よくも族長を!」 
 僕はとっさにドラクーンに飛び乗ると、北の民族の本拠地から急いで離脱した。
 一度だけ振り返ると彼等は僕を追いかけようとせずに、族長の亡骸に集まって頭を垂れていた。

 遥かなる西の壁か。
 一説では、壁は最終戦争から僕らを守るために作られた防護壁であり、壁の向こうは戦争の傷跡も生々しい荒廃した世界が広がるともいう。だが武器を手に入れるためにも、リルルを取り返すためにも、壁をこえなくてはならない。
 だが壁は高く、一人の力では乗り越えられそうも無い。どうする?

 ひとまず僕は、まだ見えぬ手がかりを求めて、まだ訪れたことのない機械の町に向かった。道を塞いでいたゴーストメタルをドラグーンとの格闘の末に倒し、そのまま町に入る。
 機械の町は廃墟のようだったが、広場では人が集まって賑やかだった。
 「これから働かせるには、丁度いい歳だ!さあ、いくら出す!いくら出す!」
 「500!」
 「1000!」
 「2000!」
 なんとここは、人買いによる奴隷のオークションが、開かれていたのだ。
 ステージではまだ若い男の子が鎖につながれている。やがて商人に競り落とされた男の子は、その商人に連れて行かれた。
 耐えられない。
 僕はその光景から目をそらして、立ち去ろうとした。そのとき、会場のどよめきに僕はもう一度ステージを見て、釘付けになった。僕と同世代の少女が、ステージに立たされたのだ。
 「今日一番の上物だよ。この娘はわけがあって言葉がでない。だが、この顔を見ろ!これからどんどん美しくなるぜぇ。すぐに元なんかとれちまう!さあ、いくら出す!いくら出す!」
 「1000!」
 「2500!」
 「5000だ!5000だすぞ!」
 僕は、目に悲しみをたたえたその少女を見た。衝動にかられた僕はドラグーンに乗り込むと、ステージに向かっていく。
 「10000!もういないか!10000ゴールドで落札が決まるぞ」
 高額の競りに人買いの声が高まる。ぼくはドラグーンの拡声器で怒鳴った。
 「30000!」
 あたりが静まり返る。ぼくはドラグーンに乗ったまま、ステージに降り立った。
 娘が鎖から離されたのを見計らって、僕はハッチを開け中に娘を引き寄せた。
 「おい、子供じゃないか。坊や、本当に30000ゴールドは払うんだろうな」
 「ああ、払うさ。3万年後にな」
 途端にあたりを飛び交う怒号の中、武装したパワードメタルが何台も飛び出してきた。僕らは必死にドラグーンを走らせ、機械の町を抜ける。
 しばらく走り抜け追っ手を巻いたのを確かめると、僕は賭博の町にしばらく身を潜めることにした。
 救った娘に僕は笑顔を向けると、娘は安心したのか、僕によりそって指で文字を描いた。
 「F・・・A・・・M。ファム。君の名前はファムっていうの?」
 彼女はコックリと頷いた。

 続く


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 ゴワワのシーンや人買いのシーンは、ほとんど自動的に話しが進行します。
 ここまできたら中盤も終わりって感じですが、今後も時間ポイントを消費することが多いので、出来れば3日目になる前にここまで来たいところです。
 それにしても、パワードメタルを何台ももっている人買い達に比べると、弓矢で武装する北の民族達なんてそれほど怖くないような・・・。ま、ゴワワが格好いいので許すか。


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