冒険記録日誌
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2005年03月02日(水) 終末の惑星 遥かなる西の帝国(塩田信之/双葉文庫) その2

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)

 夜になった。闇に沈んだ部屋の中で僕はそっと薄目を開け、隣で寝ている妹のリルルが寝入っているのを確認する。
 僕はベットからそっと身を起こし、剣と100ゴールドを携え、家からこっそり抜け出し・・・・
「おにーちゃん。どっこ行くのよ」
「しっ、静かに。村の人に見つかるだろ」
「私も連れて行ってくれたら、静かにするわ」
 じょーだんじゃない。僕はリルルをなだめすかして(時間ポイント1経過)、ふてれ腐れる妹を置いたまま、家を出た。
 しばらく人気のない村の裏道を歩いていく。
「キャー!」
 いきなり聞こえたリルルの悲鳴。あのバカ、ついてきたのか。
 見ると昼間に見た北の民族の男たちが、リルルを担ぎ上げているじゃないか!先触れの連中は帰らずに、キャンプを張って村を見張っていたらしい。
 僕はリルルをかついだ男に突進しようとしたが、他のモヒカンの男に阻まれた。
「坊や。あんたの相手は俺だぜ」
 戦闘のすえ、モヒカン男を切り捨てたが、すでに他の連中はいなくなっていた。騒音を聞きつけた村人達がやってくる気配もする。こんなところを見つかったら連れ戻されてしまう。
 僕は死んだモヒカン男が乗って来たボバギー(小さく空中に浮くエアバイク)に飛び乗ると、村を抜け出した。

 ボバギーを走らせながら僕は考える。どこに行ったらいいのだろう?
 北の民族の本拠地に行くべきか。リルルはきっとそこにいると思うけど、剣一本しかない僕にはまだどうにもできない。
 東北の商業の町か。そこで武具を買う事はできるだろう。でも僕のお金で強力なものは買えないと思う。
 南西の賭博の町でお金を増やすというのも手だし、あけやみの森とナン湖に囲まれている謎めいた機械の町には何かあるかもしれない。それとも、外敵から隠れるようにひっそりとある北西の洞窟の町か。
 
 考えたすえ、僕は洞窟の町に向かうことにした。(時間ポイント4経過)
 沼地を抜けて目的の洞窟までもう少しというところで、一瞬あたりが影につつまれた。見上げると、端から端まで十メートルはあろうかという翼を広げた恐竜が僕に向かってくるところだった。翼竜ソーイスだ!
 今の僕ではとても勝ち目が無い!急いで近くの沼地に飛び込んだが、今度は鞭のような触手が僕に絡み付いてきた。巨大イソギンチャクが僕を栄養にしようというのだ。
 こうなったら覚悟を決めて戦うしかない。
 触手が引っ張るより先に肺に息を溜め、剣を抜いて自分から沼深くに潜むイソギンチャクの本体に突っ込む。
 しかし、激しい戦闘にも力及ばず僕は力つきた。
 忘れていた。このゲームって、序盤はかなり難しかったんだ・・・。
 
 END(再プレイで続く)


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 リプレイ文でもわかる通り、このゲームは最初から移動できる範囲が非常に広い一方で、序盤の攻略が一番難しいのです。
 時間制限もあるので、無計画に行動していると終盤に困るという理由もありますが、それ以前にアルが戦闘で勝てない強敵が多すぎるのですね。
 このゲームには機知ポイントという、FFシリーズでいう技術点にあたる、戦闘のために重要な数値があります。
 この数値の決め方がゲーム前にトランプを一枚引いて出た数字を設定するというもの、つまり1〜13ポイントのいずれか(ただし5ポイント以下なら振りなおしが一度だけ認められる)なのです。
 この決め方は流石に少し無茶な感じもしますね。FFシリーズでいうなら、技術点を決めるのにサイコロ2個振って2〜12ポイントで決めるようなものですから。
 さらに、このゲームは最高の機知点13ポイントでスタートしても結構厳しい、最低でも10ポイント以上は欲しいところです。そんなわけで最初は高い機知ポイントを設定したうえで、比較的安全なルート(FFシリーズでいう真の道)を模索する必要があるでしょう。
 ただし、厳しい序盤さえ切り抜け、ある程度の敵を倒して経験値を溜めると、レベルアップして機知ポイントが大幅にアップするので一気に戦闘が楽になります。戦闘に勝てれば自然に行動範囲も広がるゲームバランスはなかなかいいです。
 このあたり、作者はコンピューターRPGの感覚を意識していたのかもしれません。


山口プリン |HomePage

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