冒険記録日誌
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2005年03月01日(火) 終末の惑星 遥かなる西の帝国(塩田信之/双葉文庫) その1

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)

 ここは辺境にある小さな村。
 「火だ!家が燃えているぞ!」
 突然の火事。誰かの叫び声に、慌てて消火しようと駆け寄る村人達。
 そこへ毛皮を着込んだ巨漢の男たちが3人あらわれて、村人の前に立ち塞がった。その姿から彼らは北の民族の人間のようだ。
 ニヤニヤと笑いながら、彼らは傲慢に言い放った。
 「聞け!今日から3日後に我が軍隊と族長のゴワワ様がやってくる。そのときから、お前らは奴隷となり服従する運命なのだ!」
 その言葉に血気盛んな村の男が一人詰め寄ったが、たちまち胸を矢で射抜かれた。それを目の当たりにした男の妻が悲鳴をあげる。
 「俺たちに逆らう奴は、みんなこうだ!」
 「まあ、残された3日間だけでも楽しむのだな。なんて親切なんだ。はっはっはっ」
 男たちはそういい残すと去って行く。そして、うなだれた村人達の姿だけが残った。
 「やめるんじゃ!アル」
 お爺ちゃんの制止に、僕は剣を抜きかけていた手をさげていた。

 僕はアル。14歳だけど、村の掟でこの村からは一歩も出たことがない。
 でも、そんな僕でも村人が諦めて戦おうとしないことに、納得できなかった。
 あいつらにも対抗できるような強力な武器さえあれば!しかし最終戦争で全てが滅びた後、ほとんどの武器は残っていなかった。
 いや、あった!村の西にそびえるデュラン山。そのさらに先には、世界を隔てる“世界の壁”があって、その壁の向こうには、まだ最終戦争前に使われていた武器が残っていると聞いたことがある。
 3日の間に武器をもって村に帰ることができればいいんだ。
 こうして僕は掟で禁じられたその壁を目指し、人知れず村から旅立つことに決めた。

 続く


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 こんなプロローグで冒険はスタート。去年の夏に10何年ぶりくらい久しぶりに再プレイをしたので、今回のネタに取り上げてみます。
 私、双方向システムの双葉ゲームブックの中では、これが1番好きな作品だったのですよ。トランプを使った戦闘システムが当時は他の双葉ゲームブックより本格派に思えたものだし、SFチックな世界観にも惹き込まれて。
 懐かしいなぁ。
 ちなみにこの作品は、時間ポイントというものがシビアに設定されていまして、町や森を移動していると、30分単位で時間がビシバシ進んでいくのです。アルは夜中にこっそり村から抜け出すので、1日目の夜からスタート。つまり実際には2日間半がタイムリミットの冒険となります。
 果たして私は無事にクリアできたでしょうか。


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