冒険記録日誌
DiaryINDEX|past|will
| 2005年02月23日(水) |
暗殺ゲーム(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) |
<プロローグより要約> 主人公はどこの組織にも属さない超A級の一匹狼スナイパー。 CIA (アメリカ中央情報局)だろうが、KGB(ソ連国家保安委員会)だろうが暗殺と秘密工作の依頼があれば、確実に仕事を果たしてきたのだ。 ある大仕事を果たしたばかりの君は、エーゲ海に浮かぶ小島にある秘密のアジトで、休暇を楽しんでいた。シャワーを浴びてサッパリした後、前の仕事で持ち帰って謎の手帳を見ていた君は、いきなり何者かに狙撃された。 辛くも危機から逃れた君だが、休暇は中止だ。なにかとんでもない陰謀に巻き込まれたらしい。まずは敵の正体をつきとめなくてはならないだろう。
本作品はジェームズ・ボンドばりのハードボイルドな活躍が楽しめる作品です。 ルールは、体力点、所持金、武器の弾薬数、特殊装備の4つが基本。今回は一つずつ説明してみます。 体力点は敵の攻撃に耐えられる力で、結果的に戦闘の強さとなります。戦闘ルールは敵、自分それぞれにサイコロを振ってあげます。そして出た目をダーツ表という結果表に照らし合わせて、そこで多い数字が出たほうが相手にダメージを与えることができるというものです。(素直に「振ったサイコロの目が多いほうが勝ち」の方が簡単で良いと思うのですが・・・) 所持金は持っている現金の額。主人公はすでにスイス銀行に巨万の富を預けている身分ですが、裏社会では現金が一番信用されています。また、正体不明の敵から逃亡中の身なので、銀行からお金を引き出す機会が限られているために使用できる額には限度があるようです。もちろん金の用途は、ワイロや武器の補給、傷の治療などいろいろです。 武器の弾薬数。まあこれはあんまり意識しなくても大丈夫だったような。ただ、足元を見られているのか、弾丸一セットに数万ドルとかバカみたいに高い値段が平気でします。 特殊装備は、毒物発射万年筆とか、極細ピアノ線を仕込んだ腕時計、矢の飛び出すカメラなど、面白い10種類の小道具の中から冒険の始めに3つを選んで持っていけます。(でも総パラグラフ数が202しかないゲームブックだけあって、まったく使用する機会のない小道具もあるみたい)
さて、スーパー頭脳集団アイデアファクトリー特有のそっけない文章も、この世界に合うのか今回は気になりません。 夜のバーに入って、カウンターでドライマティーニを一杯。そこに擦り寄ってくる情報屋。二言三言会話をすると、札を置いて立ち去っていく。スナイパーとは、このように寡黙に渋く決める存在でなくてはならないのです。もちろんトレンチコートは必需品です。 ホテルの部屋にガス爆弾を仕掛けられたり、ヒットマンが襲ってきたり、主人公はかなり本気で狙われているよう。ならばこちらもと、情報屋から情報を集め、待ち伏せする黒づくめのスーツ姿の男どもを瞬殺し、敵の本拠地の一つになっているカジノに大胆にも堂々とのりこんでいきます。敵のゴリラみたいな用心棒に頭をぶっとばされるとか、なかなか展開も厳しくなったのですが、何度か再挑戦していると、事件の背景がだんだんわかってきました。 どうやら主人公はCIA、KGB、MI6、などを始めとする世界でも主だった全て(6つ)の裏組織から狙われているようです。その理由も説明されていましたが、それでもかなり無茶な事態ですよね。 第一、そんなに事件が大掛かりになってしまったら、総パラグラフ数が202しかないゲームブックでどう収拾をつけるつもりでしょうか。 そう思いつつ先に進めると、なんと6つの組織のリーダーが一同に集合しているところに、予め用意した仲間と武器を使って襲い掛かる展開になったのです。 6人のボスは主人公自らが戦って順番に暗殺していきます。いや、もう暗殺じゃないだろ、これ。(連戦でクリアが厳しそうだが、今回は全て戦闘に勝利したことにして遊んでいたので、ゲームバランスは未確認) 主人公を殺そうとした組織のボスがいなくなったから、これで万事解決。すべてが終わった主人公はエーゲ海に浮かぶアジトの小島に戻って、事件のことを報道しているニューヨークタイムズを読みながら、マティーニを飲み干します。 うーん。最高に力技なエンディングです。さすがはスーパー頭脳集団アイデアファクトリーですね。素晴らしい。
|