冒険記録日誌
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| 2005年02月22日(火) |
2002年暗黒霊の復讐(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) |
またまたスーパー頭脳集団アイデアファクトリーですが、彼らが本領を遺憾なく発揮したというべきか、とにかく設定を読むだけでクラクラしてきそうな作品です。 カバー裏にストーリーが載っているので、抜粋してみましょう。
暗黒霊の復讐がはじまった!!銀河戦士である君に、その野望をことごとく打ち破られた恐怖の邪神〈暗黒霊〉は、復讐の機会を密かに狙っていた。そして、またしても地獄の底から悪魔を復活させた。 蒼き狼の子チンギス・ハーンだ!! 大草原を疾駆し、その生涯に「国を滅ぼすこと40、朽木を抜く」がごとく 大帝国を倒し、数百万の人間を殺し、チンギスの行く所、殺戮と破壊の荒野が残るのみ… といわれたチンギス・ハーンとその配下の遊牧騎馬軍が、君の愛するレイアを誘拐した。 緑の瞳輝くレイアが君の助けを待っている!!さ、銀河戦士たる君よ!! いよいよ最後の決戦の時が近づいた。君はチンギス・ハーンを倒し、レイアを 助け出したのち、暗黒霊の息の根を止めることができるか!? 今、光と闇の交差する最後の戦いがはじまる。
・・・・・・。 宇宙を舞台にしたSFっぽい世界に、なんで草原を馬で駆っていたチンギス・ハーンが登場するのだろうか。この関連性が私のような凡人にはまったく理解できないのですが。 思わずチンギス・ハーンが宇宙戦艦に乗船して攻撃してくる様子を連想したのですが、いや実際に巨大宇宙戦艦にチンギス・ハーン軍の本拠地があって戦闘になったりもしますが、地上では馬(のロボット?)に乗って勇敢に戦う騎馬民族のようです。 しかし、彼ら騎馬族はチンギス・ハーンも含めて最初から最後までまったく喋らない非人間ぶりで、非常に味気ないです。せめて捨て台詞の一言くらい言ってくれてもいいのに。 そもそもその彼らを蘇えらせた暗黒霊って、一体何者でしょうか?もしかしたら前作にあたる作品があるのかもしれませんが、私は所有していないので謎です。 とにかく説明によると暗黒霊は、異次元空間の反宇宙という、とんでもないところに生息しているそうです。反宇宙は、反陽子、反中性子、陽電子で構成されている空間のため主人公が無防備に入ろうものなら、一瞬で消滅してしまう恐ろしいところらしいですが、聖杯の水を飲めば大丈夫というあたり、まったく理解に苦しむ物理学が働いているようです。 それで極めつけはエンディングです。「宇宙が光に満ち溢れ、星々の間を五月の風が吹き抜ける」という想像できない光景もさることながら、恋人のレイアを救い出した主人公は、「宇宙のアダムとイブとなって新しい世界を築く一歩を踏み出した」となっています。 宇宙は別の次元空間に変わってしまったのでしょうか?ともかく宇宙にまで影響を与えるスケールのでかさと、誘拐された恋人を救い出すという伝統的な冒険を同レベルで融合させる、スーパー頭脳集団アイデアファクトリーの素晴らしさに拍手を贈りたいと思います。
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