冒険記録日誌
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| 2005年02月17日(木) |
所さんのまもるもせめるも アクアク大冒険(所ジョージ/双葉文庫) |
有名タレントの所ジョージが主人公となっているゲームブックです。 当時は流行だったらしく、有名人が主人公というファミコンゲームなんかは、結構多かったです。例えば「ラサール石井のチャイルズクエスト」や「田代まさしのプリンセスがいっぱい」なんて今じゃ想像もできない企画ですね。 それにつられるようにゲームブックにも「プロ野球?殺人事件!」や「さんまの名探偵」なんて有名人ものが登場したわけですが、そんな中でも本書はすごいですよ。なんといっても著書が所ジョージその人ですからね。表紙カバーでは所さんの写真がおどけたポーズで写っています。全て一人で製作したとは思えませんが、作家以外の有名人が製作に携わったなんて、ゲームブック界では唯一の作品かもしれません。ファミコンなら「たけしの挑戦状」みたいなもんでしょうか。
ストーリーとルールを紹介しましょう。 主人公の所さんは、ゲームの中でも現実と同じく芸能人をやっています。ある日、南国のアクアク島から3人の人間がやってきました。所さんが自分の荷物と間違えて持って帰ってしまったアクアク島の秘宝を取り返しにきたのです。 その秘宝の名前は「火吹き山の目覚まし時計」。(うーむ。ゲームブックファンなら、ピクッと反応してしまいそうな名前だ) この秘宝は7つのパーツで構成されていて、それを知らなかった所さんはお友達達にバラバラにプレゼントしてしまっていました。こうして所さんは、秘宝を回収する為に東京中をイヤイヤ駆け回るハメになるわけです。しかも「火吹き山の目覚まし時計」を奪って悪用しようとDr.ジョンなる悪い科学者も邪魔をしてきます。 ルールとしてメモが必要なのは、視聴率、アイテム、所持金、記号チェックの4つです。面白いのは視聴率の数値で、とにかく傍から見ていて絵になるような格好良い行動をすることで、視聴率がアップします。これが高ければ警備員のいる立ち入り禁止区域も、顔パスで通れるようになるなどゲーム進行が有利になるので何気に重要です。
私が所さんらしいと思ったのは、この作品の文体。まるで読者に語り掛けるような調子で、所さん独特の話し言葉がそのまま文章になっています。例えばパラグラフ1の一部を抜粋すると「もーお、アタマにくるじゃありませんか。ウチのマネージャーが、どっか行っちゃったんすよ。平田っつうの。このわたしがまじめに働いているというのにっ。まっーたく、どこほっつき歩いてんだか。帰ってきたらしかってやりましょ。所さんはいそがしいんだ。うん。いそがしいといえば、次の予定はえーと・・・・・・。」という感じ。所さんがゲームマスターをしてRPGをやっているような気分に少しなったかな。 設定や文章がそうだけに、すごく明るくて軽い内容なので(もちろんゲーム性も)、そのつもりで読むと吉。ストーリー的にもどーって、ことはないのですが、愛娘のさやかちゃんがDr.ジョンに誘拐されたところだけは所さん、急に真剣になって「さやかーーー!!!」と叫びながら救出のために車でぶっ飛ばしています。所さんの溺愛ぶりが表現されていますね。 所さんが好きな人ならコレクターアイテムとしてオススメかな。
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