冒険記録日誌
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2005年02月10日(木) 阪神タイガース優勝記念!!トラトラ優勝ゲームブック(サン出版)

 阪神タイガース優勝記念!!といっても、一昨年前の優勝のことではありません。史上最強の助っ人伝説を作ったバースがホームラン打って、ミスタータイガースの掛布がホームラン打って、今の阪神監督の岡田がホームラン打っていた85年の優勝記念本です。
 発売日が1985年の11月5日ですから、日本シリーズが終わって間もなく発売したというところでしょうか。カバーなし、雑誌のような紙質、いしいひさいち画の表紙デザインと、まるで雑誌の付録のような雰囲気がただよう本ではあります。
 しかし阪神タイガースとゲームブックを合体させるとは、私にとって夢のような企画です。これだけで、もう内容が少々あれだろうが許してしまえそうです。

 内容は85年ペナントレースの開幕戦から優勝決定戦までを再現しており、表紙に負けずおとらず内容も雑誌のノリで作られたような軽い感じです。とはいえ、試合や選手の成績のデータは現実のものを使用し、白黒ながら写真も多用していて、ペナントレースの雰囲気を疑似体験することができました。
 この本の表紙には「あんた吉田はん やりなはれ!」とコメントが書いてありますが、読者は吉田監督だけでなく、バースになったり、掛布になったり、岡田になったり、ゲイル投手になったり、土井コーチになったり、といろんな立場になって考えなければなりません。
 具体的には実際にあった試合の重要なシーンを取り上げては、2択の質問が出るのが基本。次のページにはそれぞれの選択誌の結果がスポーツ新聞風に書かれています。
 例をあげますと「第68試合。対広島戦15回戦。あなたは吉田監督です。3対1とウチがリードしてむかえた2回表の攻撃。7番ルーキー和田がレフト前ヒットや。次はおまんじゅう顔の平田。後ろにピッチャー中田がひかえてんねんけど、どないしょ。トップの真弓に望みかけて平田は送りバントにするか、ここはヒットエンドランでおせおせというのもええなぁ」という感じで出題されます。決断のために、その試合時点での各選手の打率やピッチャーの成績が参考に添えられているのがいい感じです。結果が良くて試合に勝てば1勝プラス。現実には負けた試合も取り上げているので、必ずしも現実と同じ選択誌を選べば良いとは限りません。
 ただ、これだとゲームブックというより、クイズブックという印象かも。
 
 終盤だけは今までの勝ち数などによりストーリーが分岐して、多少ゲームブックらしくなっています。
 現実と同じように進行すれば、現実と同じく神宮球場で胴上げができますが、他のルートで出現する本書オリジナルの試合では「神だ!宗教だ!バース、7打席連続本塁打!」とか「空前絶後!9者連続本塁打!」という無茶な展開で優勝してしまうのが笑えます。メタメタにされた相手は、もちろん王監督率いる栄光の巨人軍です。

 正直、私は85年の優勝のことはあまり憶えていないのです。幼かったもので。
 そういう意味では、この本から当時の阪神がどんな強さのチームで、どんな風にペナントレースを戦っていったのかを、とてもよく知ることができました。
 他にもコラムがいくつかあって、週刊誌の阪神の扱いぶりを紹介したり、ペントレース全体の流れについて解説されたりしていて、当時の様子を知る資料としての価値はあると思います。


山口プリン |HomePage

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