冒険記録日誌
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2004年08月09日(月) 天地創造(安藤夏・沙藤樹/エニックス文庫) その2

 物語は、なんと大陸の大半が復興し終わって地裏の5つ目の塔の目前のシーンから、始まっていた。
(こう書いても、原作を知っている人にしかわからないだろうけど、つまり冒険の序盤がほとんどカットされているということ)
 うーん。原作のオープニングにあった、アークが旅にでるキッカケになった、クリスタルホルムってぇ小さな村のイベントと、4つの塔の冒険のことが、わずか2ページの説明で終わっているぞ。
 ともかく原作を知らない読者は、この時点でついていけない気がする。(汗)
 どうも原作のストーリーが壮大すぎて、一冊のゲームブックに収まらないからカットしたという印象だ。確かにゲームブックに完全移植するなら、大陸復興編、動植物復活編、文明開拓編の3部作くらいにしないと収まらないだろうけど。もうちょっと他のやり方はなかったものかなぁ。
 こんな感じでこの説明不足っぷりは、ゲーム中ずっと続いた。そのうえ物語のテンポが異常に早くて、まるで原作のダイジェスト版みたいだ。どうやら原作ファンがイメージを補完しながら遊ぶことが前提で作られているらしい。

 戦闘シーンも同じで「敵の装甲は固い!スピンアタックか、それともミドルアタックで攻撃するか!」なんて選択肢がたびたび登場するが、原作を知らないとスピンアタックや、ミドルアタックがどんなものか全然わからない。これは困る。私も敵との対処法まで覚えてなかったので、ここは適当に選択してゲームを進めた。
 ちなみに戦闘は適当に選択肢を選んでも勝ててしまう。戦闘に限らず、どの選択肢を選んでも、数パラグラフ後には同じルートに戻るので問題ないみたい。つまりゲームオーバーが存在しないわけで、ゲームとしてメチャクチャ簡単。これでは一見難しそうなルールもあまり意味がない気がした。

 そんなこんなで一応クリア。
 私は昔から気になっていたラストシーンを今回やっと見ることができたわけだし、ライトノベルを読んでいるような感覚で最後まで楽しめたのだが、もし予備知識がなくて遊んでいたら、あまりに一方通行で強引なストーリーとヌルイゲーム性に、途中で投げ出していたかもしれない。
 「天地創造」のファンのみ、原作をプレイしたときを懐かしむ気持ちで遊んでみるくらいが吉。そんな作品だと思った。


山口プリン |HomePage

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