冒険記録日誌
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| 2004年07月29日(木) |
ルパン三世19 戒厳令のトルネイド(富沢義彦/双葉文庫) |
俺の名は次元大介。ひょんなことからICPOによる、ルパン三世逮捕の全面作戦の情報を耳にした。コードネームは“戒厳令作戦”。世界中に一時的に戒厳令をしき、各国の警察を総動員するという、大がかりなもの らしい。とにかく、相棒のピンチは放っちゃおけねぇ。なんとかこれをルパンに知らせなきゃ。それに、やつと一緒にいれば、スリルが味わえる。 俺の真価はスリルのなかで発揮される。一瞬の判断と、反射神経のゲーム…。久しぶりに、それが始まろうとしていた。(本書カバーより)
ルパンらしさ:★★★★★★★★★
本書の主人公は次元。次元が主人公という設定は「謀略の九龍コネクション」でもあったのだけど、どちらかというと軽いノリのあちらと違って、渋い!文章からイラストまでハードボイルトタッチで全部渋くて格好良い。タバコと銃を愛する男の悲哀が全編から伝わってきます。今回は、五右衛門はもとより不二子や銭形までやけにシリアスなのである。 もっとも相棒役のルパンだけは相変わらずで、とぼけた言動や予測もつかない行動をとってニヤリとさせる。考えて見ると、ルパン本人はゲームブックの主人公に向いてないかも知れないなぁ。あの神出鬼没ぶりは、読者や視聴者の意表をつくところに面白さがあるのに、自分が主人公じゃネタバレしちゃうから。その点、次元はルパンメンバーの中で一番感情移入しやすい気もするな。
ゲームの完成度:★★★★★★★★
ルールは情報や所持品のメモ書きくらいは必要という程度。物語性重視で、このシリーズでは中途半端な存在になりがちだった能力ポイントを、排除したことは良かったのじゃないだろうか。
ヒロインの魅力:★★★★★(ソーニャ)
本書の女性キャラでは不二子が一番登場しているのだが、主人公は次元なのでちょっとヒロインとは違う。 ここは、昔に次元を救って彼に恋心を抱いたというソーニャかな。本編ではすでに亡くなっていて、わずかに回想シーンでしか登場しないのだが、その儚さが次元の世界に相応しい。
お気に入り度:★★★★★★★★★★
ルパンゲームブックシリーズ最後の一作。 残念というべきか、はたまた19巻まで続いたのなら満足するべきか、迷うところではある。 このシリーズ全体の感想として、中盤の作品は中だるみ気味だった気もするからなぁ、とか正直なところでは思ったりもするし。 その分、最後を締めくくる本書が素晴らしい作品だったのは、嬉しいことではありますね。
追記:2008年07月14日の冒険記録日誌にて、改めてこの作品の紹介を書きました。
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