冒険記録日誌
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2004年07月27日(火) ルパン三世17 AF-1奪回指令(南一彦/双葉文庫)

 アジトで「峰不二子攻略ゲーム」の制作に熱中していた俺は、TVを覗いてびっくりしちまった。 「ルパァーン!私に結婚して欲しくなければ、ペンタゴンに行って!」その直後、俺たちは軍用ヘリや軍事衛星に追いまくられ、ペンタゴン=米国国防総省まで連行された。そこで大統領特別補佐官にこう頼まれた。 米空軍の誇る大統領専用機がテロリストに強奪されたから、君たちの腕で奪回してきて欲しい。 こりゃあ、とんでもねーことになったぜ。 (本書カバーより)


ルパンらしさ:★★★★★★

 5人のテロリスト達の手に落ちたAF-1(米大統領専用飛行機)を、高度何千メートルの大空の上で取り戻すという米軍特殊部隊のような真似をするストーリー。幸い大統領は搭乗していないそうですが、AF-1には核兵器発射装置が発射できるコンピュータが搭載してあるという、大統領が偉いのかAF-1が偉いのかわからない設定となっています。
 それにしても不二子の手引きとはいえ、いつのまにか世界を救う英雄に仕立て上げられてルパンもいい迷惑です。しかも報酬の一千万ドルの小切手も不二子が受け取っているし。
 それはそれとして、飛行中のAF-1に潜入するという出だしは、導入部としては素晴らしいです。ステルス機にのってAF-1に接近しつつ、五右衛門の斬鉄剣で入り口を斬り開いて潜入する展開といい、最初の選択肢からハリウッド映画のようで、期待させてくれます。そのあとはいろんな意味でB級映画っぽくなるけど、面白いのでまあいいや。


ゲームの完成度:★★★★★

 ゲームの大半がテロリスト達との戦闘シーン。テロリストメンバーが近づいたり戦闘が続いたりすると、「次は誰が対処する?」と、そのたびにルパン、次元、五右衛門の3人の中から選択するのが戦闘の基本。もっとも大半は誰を選んでも結果が大差ないので、ここは趣味で選んでいいみたいです。逆に部屋の移動など、戦闘以外の選択肢の方が重要で、片方はバットエンドが確定する厳しい二択が多いです。
 3人はそれぞれに体力ポイントが設定されているのですが、ほとんど体力を回復する機会がなく、ポイントが低いと苦戦して、ますます体力が減るという悪循環方式です。難しそうですが、はっきりいって最初の選択肢で体力を消耗さえしなければ、そのまま最後まで戦闘は楽勝です。ゲームバランスの計算を間違っているんじゃないの?と思うほどに。
 ほかにAF-1の機体にもダメージポイントがカウントされていて、戦闘などで無計画に重火器を使いすぎると墜落してしまうというルールは面白いかも。
 

ヒロインの魅力:★★★★★(峰不二子)

 ネタバレになるので書けないけど、最終的に世界を救った功績者は彼女のようなので。(汗)


お気に入り度:★★★★★★★

 映画っぽいのは好みなのだけど、星7つは我ながら甘いかな。
 せっかくAF-1を舞台にするのに大統領が登場しないのは物足りない。単純に大統領を救いだすストーリーにした方がよかった気もする。もっともそれじゃあ、目立ちすぎて裏家業には戻れなくなるかもしれないけど。
 ゲーム性とかをもうちょっといじれば、もっと良い作品になった気がするのに残念。


山口プリン |HomePage

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