冒険記録日誌
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| 2004年07月22日(木) |
ルパン三世12 九龍クライシス(塩田信之/双葉文庫) |
2年前、ルパン一家を振り回したリズが日本にやってきた。だが、もちまえの好奇心が災いし、またまた迷子に。そんな彼女につかまってしまったのは、コンピュータ・マニアの少年タカシ。リズの前でハッキングの実演をする彼のコンピュータ画面に突然映し出された謎の人物は、『私、マック。助けて欲しい』と告げると、画面から消えた。2人は何とか助け出そうと行動を開始する。一方、リズを捜す次元と五右衛門は彼女の足取りを追う。そして謀略の影が浮かび上がり、舞台は再びリトルアイランドに…。(本書カバーより)
ルパンらしさ:★★★★
“謀略の九龍コネクション”から2年後のお話しで、今回は五右衛門のみが主人公。(序盤だけリズの友達のタカシ君の視点になる) “謀略の九龍コネクション”でも違和感を感じていたが、文章が子供向けすぎる気が。特に「おしりペンペーン!」と叫ぶ五右衛門や、子供の名前を“君”づけで呼ぶ次元を見ていると、こんなのルパンじゃねぇ!と言いたくなる。
ゲームの完成度:★★★★★★
能力値の設定はなく、フラグのチェック欄に指示どおりに記入するのみなので遊びやすい。 しかし、チェック欄が90箇所近くもあるのでちゃんとメモをとらないと遊ぶのは無理。本当にそんなにものチェックが必要だったのか疑問。
ヒロインの魅力:★★★★★★★(リズ)
十二歳になった彼女。前作に比べるとやや大人しくなっているが、得意の“お願い攻撃”で何人もの男が悲惨な目にあうのは相変わらず。この調子で育つと恐ろしい女になりそうだ。
お気に入り度:★★★★
うーん。重要人物の“マック”の存在にも無理があるし、なにか納得できない出来だぞ。 ネタバレになるが敵の陰謀の正体は、先進国で処理に困った核廃棄物を、リトルアイランドを隠れ蓑にして、南アフリカに無断投棄してしまうというものなのだが、「これでアパルトヘイトの問題も解決させようと彼らは考えている」とはどうなのよ。放射能汚染で南アフリカの住民が死滅するからということ?そんな乱暴な計画がありえるのか?などと、つっこみたくなる箇所が無数にあるのだけど。
もっともルパンゲームブックでは唯一の続編物なので、当時はそれなりに人気があったのかもしれないな。 作者の塩田さんも、ファンレターが沢山届いたとか、ウォーロックの人気ゲームブック作家ランキング11位に入ったとか、あとがきに喜んで書いているし。余りパラグラフも使って、塩田さん唯一のオリジナルゲームブック「週末の惑星」をやたらPRしているし、なにか作者のハイテンションが伝わってくる感じです。 確かに「週末の惑星」は、私も双葉で一、ニを争う名作だと思っていますし、塩田さんは好きなゲームブック作家の一人なのですが・・・・・・塩田さんの書くルパン作品は・・・・・・私のもつルパンのイメージとかなり違うみたいです。
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