冒険記録日誌
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2004年06月15日(火) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その8

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 台地を登ると、意外にもヘルルフは私を待っていた。剣を持った手が垂れ下がっている。すぐ近くで雷鳴が轟く。いつの間にか降り始めた激しい雨に2人ともずぶ濡れだ。
「我が友の曇り族は来てくれなかった」
 へルルフは落ち着いた声でそう喋った。なんらかの事情で作戦は失敗したのだ。
「なぜ我ら民を裏切ったのですか。ヘルルフ様」
私は剣を抜きながら問い掛けた。
「我が民?貴様らの民だ。私の父は曇り族の人間だ。貴様らのご立派なセオドレド王子に父は殺されたのだ。裏切るには十分な理由だろう!」
 すぐ近くの落雷が引き金となった。
 お互いに剣を構えて突進し、(攻撃のサイコロは最良の12、クリティカルヒット!)ヘルルフの体は崩れ落ちた。
 もう角笛城に戻る気力も無くなった私は死んだヘルルフの体の傍に倒れ、返り血を雨が洗い流すに任せ続けた・・・。

 夜明けの光が優しく地上を照らす。私は力を奮い起こして立ち上がり、角笛城へと戻った。
「若者よ!」
 声をかけられたので見返すと、馴染みの歩哨隊隊長だ。
「まことに、あれこそ戦いだったな!姿が見えなかったから、お前は死んだものかと思った」
「私は死んでませんよ。気分はそんなものでしたけどね。よくあの大軍に勝ったものだ。信じられません」
「灰色のガンダルフ様が散り散りになった騎兵とともに来られたからさ。それに見てみろ!」
と、彼は広大な森の方を指した。
「逃走したオークどもはあの森に逃げていったが、一匹も出てこん。まるで森が飲み込んだかのようだ。どんな魔法なのかだと?魔法使いのやり方が私に分かるわけないだろうが!」

 隊長と別れると、上官ガムリングが私を待っていた。
「昨日のお前の戦い振りは実に勇敢だった。お前を辺境騎兵に命じる!この名誉、受けてくれるな」
 もちろんだ!ガムリングから剣を受け取った私は、空高くそれをかかげた。
「ローハンよ!我は汝の忠実なるしもべなり!」





<後書き>
 以上がプレイ状況でした。最後のヘルルフ戦は、戦闘疲れの主人公には厳しい戦いだったのですが、運がよかったです。実のところヘルルフの生死はエンディングには影響しないので、無視した方がクリアしやすいのですが、やっぱりこのクライマックスは格好いいのでつい選択してしまいますね。
 ちなみにエンディングは一つではなく、ヘルルフの裏切り行為を確実に証明できれば、セオデン王から直々にお褒めの言葉をいただくベストエンディングとなります。
 不満点は指輪の仲間達にわずかしか会えないこと。ギムリは口をきいてくれないし、ガンダルフの姿を見ることはなく、アラゴルンに至っては名前すら登場しないのですから悲しいじゃないですか。
 他にストーリーの前半部分は、展開にいろんなバリエーションがあって良いのですが、後半の角笛城の攻防戦は展開がほぼ一本道なのは残念。パラグラフをもう50くらい増やして、もっと楽しませて欲しかったな。
 とはいえ、ローハンの一兵士としての立場で、物語に参加している感はよく伝わってきました。いいですね。
 このミドルアースクエストシリーズ、未訳の3巻以降も含めて復刊してくれないかなぁ。


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