冒険記録日誌
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2004年06月13日(日) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その6

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 悪夢が消えて現実に戻ってきたが、悪夢を見ていた方がましだったと、私は後悔した。
 殺風景な野営地に、排泄物と腐肉が混ぜて醗酵させたような匂いが充満している。いたるところで武器をいじったり、いがみ合ったりしているオーク達。わずかに生えている木々には、ローハンの騎士達の死体がぶら下がっていた。
 きっと残虐な死に方だったに違いない。

 私はテントの中に放りだされた。
 私の予想に反して、そこにいたのは不思議な美しさをもつ美女だった。サルーマンの手下だろうか。しかし、彼女からは敵意が感じられない。
「わたしをゆるして。あなたをそんな目に合わせてしまったなんて」
 彼女はすまなさそうに私に言った。まるで小鳥のようにかわいい声だ。
「オークや死のことなんて忘れていいのよ。蜂蜜やお酒のこと。香りたつ花やさらさらな雪のことを考えて。そういうのはお好き?」
 彼女の声を聞くと安らぐ。
「あなたを守りたいの。・・・暖めて私で満たしてあげたいの。聞かせて・・・さあ、聞かせて・・・」

(ここで魔法ボーナスチェック・・・成功)

 私は彼女の魅惑の魔法に気付いた。
 そのまま魔法にかかったふりをして、そのまま偽の情報を流そうと試みる。

(ここで知性ボーナスチェック・・・失敗)

 女の表情が変わった。もはや見せかけの魅力は吹き飛んでいる。
「あんた私を馬鹿にしてるね。こいつを夕食につれていきな!目障りだよ」
 オークが再び私を捕まえて、厨房に引きずっていった。もちろん材料は私だ。
 絶対絶命の危機だったが、オークのコックが飛んできた石に気を取られたおかげでなんとか脱出に成功した。
 九死に一生とはまさにこのことだ!

 全速力で逃げだす私に突如騎士の姿が現れた。
「エオルの裔よ!こっちだ」
 先程私を助けてくれたのは、彼だったのだ。
 彼はヘアムガメルと自らを名乗り、しばらく一緒に走っていたがオークに見つかってしまった。オーク達から矢が放たれ、ヘアムガメルの腹部を貫いた!
 私は生き延びるために、彼を見捨てて走りつづけるしかなかった。
 彼の親切を決して忘れまい。自分が強くなったら彼のように振舞おうと強く誓いながら。

 こうして私は夕闇がせまるころまでに、城の塁壁まで戻ることができた。
 私は指揮をとっている上官ガムリングにヘルルフの裏切りを告発した。ガムリングはひどく驚いた様子で話しを受け止めかねているようだった。
「ふうむ。お前の話を裏付ける物はないのか」
 半信半疑ながらも、私のキッパリした報告に対して、心を動かされたようだ。
「わかった。時間を見つけてヘルルフと話してみよう」
 だが、その次の言葉に私は緊張と興奮に身を強張らせた。
「だが今夜は包囲に備えねばならん。白い手(オークの軍隊)は今夜襲ってくる。すぐに城壁へ配備するのだ!」
 私は、塁壁から城へ続く土手道を歩き始めた。
 すると角笛城の城壁から数千の歓呼の声があがった。
 セオデン王が到着されたのだ!
 もう、モルドールが全軍で押し寄せようと怖くは無い!
 騎兵達が次々に私を追い越して城門へと登っていく。親切な一騎が止まって、私を馬に乗せてくれた。
 私は馬の上で親切な騎士と話す。そのとき一騎が勢よく追い越していった。
「中つ国にもいろいろな人間がいるものだが」
 騎士はその一騎に目を向けて言った。その馬には2人の乗り手がいるようだ。
「よりによって、ドワーフとエルフが我々と馬に乗っているとはね。ギムリとレゴラスという名だそうだ」
 私は驚いた。そもそも病に伏せていたセオデン王が、兵を率いておられる。
 こんな奇妙なことが続くことは、これまでなかったなと思いながら。


続く


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