冒険記録日誌
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2004年04月29日(木) 消されたモーメント(パット・ヒュイット/サンリオ文庫)

(ネタバレが少しありますので、プレイする予定がある方は読まないで下さい)

「はじめての女性向けゲームブック」と、この本には誇らしげな紹介文が書かれています。
 本当かよ?となんだか疑わしくなってしまうのですが、1986年の発売なのでもしかすると本当なのかもしれません。
 女性向けゲームブックということで、双葉文庫のペパーミントや世界文化社のハーレクインのゲームブックシリーズを想像したのですが、読んでみると行方不明だった兄をめぐる現代サスペンスもののような内容でした。さすがに主人公は女性です。

 たいしたルールもないので、普通の分岐小説感覚で読むことができます。一応バットエンドも用意されているみたいですが、実際に私がゲームオーバーになったこともなく、割と簡単にクリアできるみたいです。
(ただし「あなたはどこからここにきたのか?」とか「すでに彼にあったことがあるか?」のように、自分の過去の行動を尋ねられて分岐するところが時々あります。ちゃんとメモをとるか今までの行動をキチンと憶えておかないと、混乱して同じ箇所を何度もぐるぐる回るハメになることもあるのでこの辺は注意)

 そんなわけでこの作品が面白いかどうかは、全てストーリー部分にかかっているわけですが・・・・・・イマイチですねぇ。
文章が暗い感じがするというか、華がないというか、そんなのが気になってしまうのです。主人公も含めて、どの登場人物もパッとしないし、恋愛要素も中途半端だし。
 まあ、そんなのは好みの問題かもしれませんが、それでもマッドサイエンティストじみた医者が、大勢の入院患者を相手に洗脳実験を繰り返しているという真相がなぁ。無理のある設定が説得力なく展開されていくので、読んでいてだるくなってしまう。
 現代サスペンスなんて、ゲームブックの題材としては珍しいので期待したのですがね。残念無念。


山口プリン |HomePage

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