冒険記録日誌
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2003年12月29日(月) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その11

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 目的地の丘に向かって駆け足で近寄ろうとしたが、そうすんなりとはいかなかった。
 接近すると、靄に隠れていた深い谷が目の前に現れたのだ。亀裂は深く、とても渡れる幅ではない。
 茫然と立ち尽くしていると、空を舞っていたダージ達が嘲るように鳴いた。
 しばらくすると、そのうちの1羽が近寄ってきてこう言った。
「谷を渡りたいのだろう?俺があんたちを運んでやってもいいぜ」
 そして、そのダージは意地悪そうに付け加えた。
「なにか、俺の得になる事があればな」
 すかさずバーガンは橋で手に入れた毒薬の壷を取り出した。
「ここにうまい酒がある。渡してくれたらこれを飲ましてやろう」
 ダージが疑わしそうな目で見ると、バーガンは酒を一口飲んでみせた。正確には慎重に酒をこぼして、飲む真似をしたのだが。
 それを見て安心したダージは、自分も味見をすると納得したらしく、2人を乗せて谷の上を舞いあがった。谷底は深く、目がくらみそうだ。
 谷の真ん中まで進んだところで、ダージが欲深い声を出して言った。
「ところで残りの酒は今、飲ませてくれないか。くれないとお前達を谷底に振り落とすぞ」
 バーガンはダージに乗ったまま、ニヤリと笑って酒の正体を明かした。解毒剤が欲しければ約束通り俺達を運べと言うと、ダージは振るえあがって命令に従った。
 対岸に辿り着くと、バーガンは解毒剤だと言ってさっきの壷を手渡す。
 ダージの運命を見届けることなく、2人とも丘に向かって立ち去った。


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 これですよ、盗賊の素晴らしさは。
 彼の機転には毎度、その手があったか!と驚くばかりです。
 TPPGをする方は彼の行動の箇所を読んでいると、きっと参考になるでしょうね。
 もっとも善のキャラクターなら、あんまり卑怯なことはできないかもしれませんが。

続く


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