冒険記録日誌
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| 2003年12月27日(土) |
ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その9 |
(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)
2本の橋のどちらを進むべきか。バーガンはコインを投げて決めると、片方の橋を一人で渡りだした。 渡っているとふいにチクチクする妙な感じに襲われる。こちらの荷物を盗もうと見えない手が伸びてきたのだ。すかさず身をひねってかわすと、逆に奴らの一人が握っていたものを掠め取る。見るとそれは毒薬の入った壺だった。 「盗賊の俺から盗もうなんて甘いぜ」 そうつぶやくと、橋を渡り終えようと前方を見る。そして立ち止まった。 ぼんやりした人影が橋の先にたたずんでいたのだ。近づくとバーガンは思わず息を呑んだ。 盲目の魔法使いヒュロンダス。驚いたのは、こちらを睨む奴の白濁した目のせいではない。奴は死んだはずなのだ。 「おれの待ち望んだ敵だ」 ヒュロンダスの声には明らかに悪意がこもっていた。 「ついに復讐のときが来た」 バーガンは恐怖を表に出さなかった。 「敵だと?俺にとってお前はライバルでも敵ですらもなかったがな」 ヒュロンダスは剣を槍のように構えて突進してきた。バーガンはヒュロンダスが目の前に迫った瞬間。奴の肩に手をついて、宙に舞い上がった。 そして相手の反対側に着陸すると、そのまま橋を駆け下りる。 背後から絶望のうめき声が聞こえた。振り返るとヒュロンダスが橋から谷底に落ちていくところが見えた。 バーガンは冷や汗をぬぐった。 「ヒュロンダスなんてこんなものさ」
一方、バーガンが無事渡り終えたのを見届けたリー・チェンは、もう一つの橋を渡ることにした。 用心の為に攻撃魔法のソードスラストを、いつでも唱えられるように構えて、そろそろと橋の上を歩き始めた。 橋の向こうに人影が見える。それは数ヶ月前に倒したはずの悪魔の騎士、サー・ギルガメの姿へと変わった。 「また、会ったな。今度は俺がお前を死神の元へ送ってやる」 奴は軽く会釈をした。 そして突進してきた。辛うじてそれをかわすと魔法で反撃する。 いや、反撃しようとしたが、魔力が作動しない。 さっきの悪夢の戦いが記憶に蘇り、顔が青ざめる。ギルガメに残虐な笑みが広がった。 焦る気持ちを抑えてもう一度魔法を唱える。 今度は、ほとばしるエネルギー波がギルガメを切り裂いた。奴が苦痛に吠えた。 リー・チェンは、不慣れな剣を抜いて斬りつけた。与えたのはカスリ傷だったが、弱ったギルガメには十分効いたらしく、その鎧に包まれた体は橋の上に崩れ落ちた。 倒れたギルガメの死体をまたぎ越すと、リー・チェンもバーガンの待つ向こう岸に渡り終わった。
******************************************* この橋のシーンは、一人一人に与えられる試練ってシュチェーションになっていてかなり気に入っています。 ただ、盗賊だけ他のキャラクターの試練より難しい気がするのですが、気のせいでしょうか。もっとも普段は、盗賊の方が反則なほど有利になることが多いから、たまにはいいか。
続く
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