冒険記録日誌
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| 2003年10月11日(土) |
超時空パイレーツ おみそれ3人組の冒険(樋口明雄/双葉文庫) その4 |
(ネタバレ注意!この作品をまだプレイしていない方は読まないで下さい。脱力して腰が抜けます)
侍は黙って電車の座席に腰掛けている。黙祷しているようにも見える。 その胸元には赤い宝珠がかかっていた。 「ちょっと侍には派手なアクセサリーだねぇ」 つい余計なことを言ってしまった。侍のまゆげがピクリと上がる。 「おのれ、武士を愚弄する気か」 怒りのこもった動作で侍が立ち上がると、宝珠がコロリと床に落ちて転がった。 ラッキー、いただいちゃえ。 俺達は素早く宝珠をひったくって逃げ出した。 「おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれーーっ」 侍が刀を振り回しながら追いかけてくる。 俺達は地上まで逃げ出して息が切れるまで走った。町人の祭りの傍を通り抜けてやっと侍を巻く事ができた。 「ハァハァ、しつこい武士だったぜぇぜぇぜぇ」 すると、傍の白壁がドッカーーーンと崩れ落ちた。割れ目の向こう側にはさっきの侍がいた。 「ギャーー!しつこい奴だぜ」 「それがしは流浪無用の介。武士と呼べばいつでも現れようぞっ。そりゃそりゃそりゃそりゃーーーーーーっ」 刀をブンブン振り回しながら、追いかける無用の介から必死に逃げる俺達。
そのとき俺達に、いきなり次元を旅するあの感覚が呼び戻ってきた。 ワアアアアアアァァァァァァァァ! 俺達は赤い宝珠を握り締めたまま、またワープしてしまったのだ。
続く
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