冒険記録日誌
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2003年10月09日(木) 超時空パイレーツ おみそれ3人組の冒険(樋口明雄/双葉文庫) その2

(ネタバレ注意!この作品をまだプレイしていない方は読まないで下さい。脱力して腰が抜けます)


その巨大な猫、なんじゃもんじゃは俺達にこう言った。
「ナイトランドは、パラレルワールドとも言われる沢山の世界の一つなのです。ナイトランドには妖精たちが住み、シンディという女王がこの世界を平和に治めていたのです。ところが闇の世界からやってきたダークという男が、女王に毒薬を飲ませてしまいました。今、女王は刻々と死に向かっているのです」
「それで俺達はどうしたらいいんだ?」
「必要なのは高村さまのお父上の作った薬“タカムラアルファ”です。あの薬が女王の病を治療する唯一の薬なのです。それを女王さまの元に届けるのです」
「なに。親父が作ったあんな薬が役に立つのか!」
和哉が思わず叫んだ。
無理もない。いかに薬剤師の和哉の親父が作ったとは言え、あれは単なる風邪薬のはず。しかも、飲んだ患者が慢性の下痢をおこしたという曰くつきの一品なのだ。
まあ、それはいいだろう。大事なのは和哉の家から、薬をちょろまかしてナイトランドに運ぶということだ。
なんだ、こいつは思ったより簡単な仕事になりそうだ。

さっそく和哉が親父の研究室から“タカムラアルファ”を盗み出してきた。
ふっふっふっ、やはり簡単なものだ。
なんじゃもんじゃは魔法の絨毯のようなものを空中に浮かべて待っていた。この絨毯は時空を正確に旅することができる“跳航機”というものだそうだ。
「なにを笑っているのですか。出発しますよ」
なんじゃもんじゃは、時空を旅できるようになるという丸薬を差し出した。
俺達はうなずくと薬を飲み、絨毯にのりこむと、ナイトランドへ向かって出発した。
奇妙にかん高い音と共に周りの景色が一変する。
同時に凄まじいまでの“G”が俺達の体を襲う。まるで吹き飛ばされそうな勢いだ。
「どっっっしぇぇぇ───っ!」
そのとき、なんじゃもんじゃが叫んだ。
「しまった。重量オーバーだ」
「それを早く言えええええええぇぇぇぇぇ・・・・・・」
俺達は風に飛ばされた木の葉のように跳航機から落ち、時空のどこかに飛ばされてしまった。

続く


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