冒険記録日誌
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2003年08月12日(火) 幻影の島(マドリ−ン・サイモン/世界文化社)

引き続き、本書も愛のアドベンチャーゲームブックシリーズの作品です。
(残念ながらこのシリーズは4作品が同時発売されたきりらしい。海外では5作目以降もあったのかもしれませんけど)

「運命の巻き物」の主役はおたやかな女魔法使いでしたが、こちらは男まさりの女戦士、リシアが主人公です。
彼女は行方不明の兄を捜して、にくむべき魔術師トレッグの島へと出発するというストーリーとなっております。
まあ、そんなつけたしの設定はどうでもいいとして、リシアの前には2人の(ハーレクイン読者的に)魅力的な男性が登場するのです。
ひとりはティムという名の粗野な感じの盗賊。もうひとりはマックスという学者風でクールな魔法使い。
男に負けないように肩肘をはっていたリシアでしたが、彼らとパーティを組んで冒険をしているうちに、だんだん2人に対して不思議な感情がうかびあがってくる・・・というのが本当のストーリ−です。さすが愛のアドベンチャーゲームブックシリーズであります。
ゲームとしては選択肢を選ぶのみの純粋な分岐小説タイプ。話自体は短いですけど実際に読んでみると、意外とよくできている気がしました。
その理由は敵役の魔術師トレッグの存在です。リシアの密やかなトキメキの前に、すっかり印象が薄くなっているものの、実は彼は幻術の達人であることをリシアは友人のノームに警告されているのです。リシアの見ている風景、人物がどこまで本物かを見極めるのが、クリアの鍵となっていきます。
なにが幻影なのか、本物なのか。目の前にかかる橋、怪物、そしてリシアを慕って冒険をともにする2人の心も・・・。
全体にオーソドックスなファンタジー小説風の作品なので、男性読者でもあまり抵抗を感じずに読む事はできると思います。お勧めするほどでもありませんが、この本自体がレアなので古本屋のハーレクインコーナーでみかけたら買ってみてもいいかもしれません。
もっとも漢なゲームブッカーが、普段ハーレクインコーナーを見るかどうかは別問題ですけど。


山口プリン |HomePage

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