冒険記録日誌
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| 2003年08月07日(木) |
運命の巻物(リンダ・ロウェリー作/世界文化社) その4 |
<ゲームブック愛の物語 ─ためらい─> 目的地まで町や森を通る道もあったのですが、アンガーの目を避けるため、あなたは洞窟を抜けて進む方法を選びました。 すると、鳥が言いました。 「私は洞窟は苦手です。ここでお別れですね」 「まあ、ワーム。あなたがいないと不安だわ」 あなたの訴えに鳥は安心させるように言いました。 「大丈夫です。ショーは盗賊ではありません。もっと信用なさい。もっともあなたの心が盗まれないように気をつけることですね」 「何を言っているのよ。ワームったら」 そう言いながらも、あなたはショーをみると胸の内が熱くなる自分に戸惑いを感じていたのです。
洞窟の中は、迷路のように深く入り組んでいました。 道の分岐点に差し掛かるたびに、あなたはスカートの裏地を裂いて、目印にそこへ落としておきます。 ショーとあなたは、そうやって長い間進み続けました。 しかし、洞窟の出口らしきものは、依然として見えなかったのです。 「どうやら迷ってしまったようだ。一旦後戻りするしかないな」 ところが目印どおりに戻っても、見覚えのある場所には辿りつきません。 ショーが険しい表情で言いました。 「おかしいぞ。誰かが目印を動かしているのかもしれない」 あなたも不安になってきました。この洞窟はコブリンの巣窟でもあるのです。 「ねぇ、ショー。もう目印は無視しましょう」 「そうだね。それがあなたの選んだ選択(肢)なら、そうしよう」 そうやって道を外れて間もなくの事。 キィ!キィーー! コブリンの群れが襲い掛かってきました。 「あなたは下がって!」 ショーは剣を抜くと、コブリン達相手に猛然と応戦を始めました。 でも、コブリンは際限なく襲い掛かってきます。 このままでは不利です。 ───そうだわ、こんなときに使える魔法があったわ。 あなたは携帯していたスペルブックの中から、それを捜して見つけました。 この魔法を使えばコブリンを追い払えるかもしれません。 だけど。 ───私が魔法を使えることが知れたら、きっとショーに軽蔑されてしまうわ。どうしよう。 あなたは迷いました。 このままショーの力を信じるべきか、それとも魔法を使うときかを。
******************************************* 「とっとと、魔法を使え!」と思わず突っ込みたくなります。 ミアリーさんにとっては、目前にせまる死の危険より彼に嫌われることの方が怖いようです。 悩む必要のない選択肢のような気がしますが、ハーレクイーン読者にとっては悩ましい決断なのかもしれません。
続く
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