冒険記録日誌
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この日、私は愛車ホワイトアルバム号(と命名しているマツダのAZワゴン)と共にドライブしていた。 そして、とんでもない危機におちいってしまったのだ。
「と、止まるな。ホワイトアルバム号!」 私の叫びも虚しく、ホワイトアルバム号は頼りないエンジン音を最後に走行が止まる。ガス欠だ。 私は片側3車線の国道のど真ん中で、立ち往生してしまったのだ。 「気分はフリーウェイの戦士だぜ」 などとつまんないことを考えながらハザードランプを点灯させ、車の外からハンドルを握って車を押し始める。 国道の脇に寄せようとしたのだが、わずかに坂道になっているらしく、苦戦する。
しかし今回の運試しは「吉」と出たようだ。 「ダイジョウブデスカー」 「ダイジョウブデスカー」 アメリカ海軍のようなマッチョな2人の兄ちゃん達が、自転車に乗ってやってきたのだ。 「テツダイマショウ」 「テツダイマショウ」 2人は車の後ろに取り付き押し始める。車はスムーズに脇道に向かって移動した。 「ドウデスカー」 「ドウデスカー」 「あ、ここまででいいです。助かりました」 「イッタイ、ドウシタンデスカー」 「コショウデスカー」 「いや、ガス欠なんですよ。近くのガソリンスタンドまで走ってきますから、もう大丈夫です。ありがとうございました」 「ソレハ、トオイデスヨー。20プンハカカリマスヨー」 「ワレワレガ、ジテンシャデイッテキマショウ」 「いや、そこまで迷惑かけられませんから」
私はだんだん運試しの結果が「凶」であったことに気づいてきた。 「メイワクダナンテー」 「ワタシタチ、アナタトトモダチニナリタイ」 「ワタシタチ○○チョウノ、キョウカイノモノデス」 「アナタトモットオハナシシタイ」 「エンリョスルコトハアリマセン。ガソリンカイニイッテキマスヨ」 「いや、一人で大丈夫ですから」 「ホントウニダイジョウブデスカ?」 「ムリシナクテイイデスヨー」 「ソウデス。コレモナニカノエンデス」 「イマハ、タイヘンデショウケド、アス、マタオアイシマセンカ」 手伝ってくれた手前、邪険にも扱えない。彼らとのお話しに30分を費やした私は、まだ名残惜しそうな彼らへ手をふったあと、ヨロヨロとガソリンスタンドへ向かったのであった。
完
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