冒険記録日誌
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2003年06月20日(金) ある一日(実話)

この日、私は愛車ホワイトアルバム号(と命名しているマツダのAZワゴン)と共にドライブしていた。
そして、とんでもない危機におちいってしまったのだ。

「と、止まるな。ホワイトアルバム号!」
私の叫びも虚しく、ホワイトアルバム号は頼りないエンジン音を最後に走行が止まる。ガス欠だ。
私は片側3車線の国道のど真ん中で、立ち往生してしまったのだ。
「気分はフリーウェイの戦士だぜ」
などとつまんないことを考えながらハザードランプを点灯させ、車の外からハンドルを握って車を押し始める。
国道の脇に寄せようとしたのだが、わずかに坂道になっているらしく、苦戦する。

しかし今回の運試しは「吉」と出たようだ。
「ダイジョウブデスカー」
「ダイジョウブデスカー」
アメリカ海軍のようなマッチョな2人の兄ちゃん達が、自転車に乗ってやってきたのだ。
「テツダイマショウ」
「テツダイマショウ」
2人は車の後ろに取り付き押し始める。車はスムーズに脇道に向かって移動した。
「ドウデスカー」
「ドウデスカー」
「あ、ここまででいいです。助かりました」
「イッタイ、ドウシタンデスカー」
「コショウデスカー」
「いや、ガス欠なんですよ。近くのガソリンスタンドまで走ってきますから、もう大丈夫です。ありがとうございました」
「ソレハ、トオイデスヨー。20プンハカカリマスヨー」
「ワレワレガ、ジテンシャデイッテキマショウ」
「いや、そこまで迷惑かけられませんから」

私はだんだん運試しの結果が「凶」であったことに気づいてきた。
「メイワクダナンテー」
「ワタシタチ、アナタトトモダチニナリタイ」
「ワタシタチ○○チョウノ、キョウカイノモノデス」
「アナタトモットオハナシシタイ」
「エンリョスルコトハアリマセン。ガソリンカイニイッテキマスヨ」
「いや、一人で大丈夫ですから」
「ホントウニダイジョウブデスカ?」
「ムリシナクテイイデスヨー」
「ソウデス。コレモナニカノエンデス」
「イマハ、タイヘンデショウケド、アス、マタオアイシマセンカ」
手伝ってくれた手前、邪険にも扱えない。彼らとのお話しに30分を費やした私は、まだ名残惜しそうな彼らへ手をふったあと、ヨロヨロとガソリンスタンドへ向かったのであった。


山口プリン |HomePage

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