冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2003年06月05日(木) ドラゴンの目(デイヴ・モーリス/創元推理文庫)

ゴールデンドラゴンファンタジーシリーズで、唯一の魔法使いが主人公の作品。
(もっとも剣も扱えるので、魔法戦士に近いかもしれない)
炎に包まれた生き物を召喚する“炎のトラ”、死者の魂を呼び出す“死人返し”、スズメバチの群れを呼び出して襲う“死の群れ”などなど、登場する呪文はまるで悪役が使いそうな魔法なのですが、魔法の描写に迫力があるので気にいっています。
物語の舞台や敵の設定も独特。1千年の昔に栄えたタリオスという廃虚の都で、地上最強の魔力を持つといわれる至宝「ドラゴンの目」を探し出すというお話しなのですが、潮が満ちるとその都市の大半が海面に沈んでしまうという設定、そして同じく「ドラゴンの目」を狙う、サンゴの体をしたミューという種族。水晶に閉じ込められた謎のカマキリ男。未知の神話世界に迷いこんだかのような雰囲気は、他の作品には簡単に真似できない素晴らしさです。
反面、戦闘のバランスが厳しすぎる気がします。戦闘を避けて終盤まで進んでも、今度は“ボトルシップ”か“黄金のリンゴ”というアイテムが手に入らなくて、クリアできなかったです。
しかし、今までそう思っていたのですが先月やっとクリアしました。実は、どんなに最初の能力値が低くても、必要最小限での危険で確実にクリアできるコース(いわゆる真の道)があったのを発見したのですな。
そのコースだとまともに戦闘や行動の成否チェックをする必要が全然ない。12種類の魔法もほとんど奇麗に使い切れるようになっていました。むしろ、いつも戦闘が厳しすぎて、「一回だけじゃとても足りないよー」と思っていた治癒の魔法が余ったのにはちょっとビックリ。
いや、炎の神殿に続いて、十数年ぶりのクリアは気持ちいいです。
ただ少し不満点もあり。真の道を外れてプレイした場合、一応クリアできる可能性はあるのですが、さっきも言ったように戦闘バランスが厳しくなりすぎて実質無理っぽいです。これはFFシリーズもそうなのですが、クリアしたければ真の道探しの為に何度も作業的なプレイする必要がでてきます。
ブラッドソードシリーズのように救済処置をいくつも用意して、読者の選択の自由も尊重してほしかったな。とは思いました。


山口プリン |HomePage

My追加