冒険記録日誌
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2003年06月02日(月) シャドー砦の魔王(オリバー・ジョンソン/創元推理文庫)

これもゴールデンドラゴンシリーズの一冊です。
シリーズ中なぜかこの作品だけは、ゲームブックブーム当時に読んでいなかったので、古本屋で発掘して割と最近になってプレイしました。
ストーリーは、ララッサの王に使える近衛隊(主人公)が、国を乗っ取ろうする魔王ダークローブ卿を倒さんと、化け物の巣食う城に単身乗り込むというもの。
なんというか、わかりやすくて骨太で格好良いです。ブーム初期のゲームブックにはこういうのが多かったなぁ。
実際に読んでみても、シリーズ中でもっとも典型的な内容に思いました。もうベスト・オブ・典型的と思えるくらい。
気になる箇所もあります。本書には、どんなに最良の選択誌を選んでも、サイコロ運が悪いと一発でゲームオーバーになる箇所があるのです。ランダム要素は立派なゲーム性なのですが、これがゲームの終盤となるとつらい。お陰で、クリア間近にして4回もゲームオーバーになりました。気が短い読者なら、ルールを守るのが馬鹿らしくなるかも。
しかしだからといって、退屈な内容かといえばそんなことはありません。むしろ、へんに凝った設定がないぶん、冒険に集中できました。
錆びた鎧に身動きがとれなくなった老騎士とか、ミノタウルスとコンビを組んで襲ってくる青年とか、登場キャラクターも一癖あって面白い。ダークローブ卿との最終決戦もなかなか燃えます。
「シャドー砦の魔王」を読んでいると、久しぶりにゲームブックの原点を感じさせてくれましたね。
背景設定やルールが複雑化した上級者向けゲームブック。ゲーム性を下げてTVゲームや映画を原作に作られた初心者向けゲームブック。そんな風に二極化したゲームブックブーム後期の作品達とは、違う面白さを感じるのは私だけでしょうか。


山口プリン |HomePage

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