冒険記録日誌
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| 2002年07月04日(木) |
君ならどうする食糧問題(M・アラビー/社会思想社) |
パソコンやTVゲームの世界には、「シムシティ」や「A列車で行こう」のような経営や町作りを扱った社会的なシュミレーションゲームがあります。 これらは遊びながら社会勉強になると言う、とってもタメになるゲーム達です。 ではこの手のものをゲームブックと言う形で挑戦したらどうなるか。 「君ならどうする食糧問題」はそんな考えで生まれたような作品で、ある国の大臣が主人公というゲームブックでした。 この国は食糧難の危機に瀕しており、内政外交を駆使して食糧難を解決するのが主人公の使命なのです。 ゲーム中は主人公個人の視点は存在せず、選択肢は全て政策の決定シーンのみ。 一例をあげると、
君はまず農業政策を推進するか?外国と貿易できる産業を育ててみるか? ─農業政策を選択する。 君は荒れ地を開拓して新たな農業用地を作るか?品種改良して生産量を増やすか? ─農地の開拓を選択する。 農民同士が農地をめぐって争いを始めた。政府が介入するか?放置しておくか? ─放置しておくを選択する。 大規模農家に押され、小規模農家の経営が厳しくなった。君は───
と、こんな感じでお話しは進みます。 本文は淡々と事実だけを述べる語り口で、「飢えに苦しむ人が増えました」「国民から大臣を退任させる声が湧き起こっています」などと、どんな状況でもあくまで冷静です。ちなみに食料事情が解決するまで、ゲームオーバーは存在しません。 正しい政策を選択するまで、問題の堂々めぐりになって、進むパラグラフも循環してしてしまいます。読者はどこかの選択肢で正しい問題解決の糸口を発見しなくてはいけないのです。 しばらくプレイしていると政策がうまく当り、食料が増えることもあります。 ここで私は、貧しい国に食料の無償援助をしようと選択。すると相手の国の農業産業が潰れちゃって、一見良い行いのようだから正しい政策とは言えないという構図をわかりやすく勉強させられました。 ルールは選択肢を読み進むだけなので、ゲームブックとしてはすぐにクリアできます。(ただし一度クリアしても、経済が安定しているが農地がない国とか、貧しい干ばつの国とか、いろんな国のケースにまた挑戦できるので、もの足りないとは思いません) 内戦、食糧暴動、腐敗した役人、お金にしか関心のない地主、それに干ばつや 砂漠化、公害。 本書を手に入れたらぜひあなたの手で、これらの問題解決に挑戦して下さい。
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