冒険記録日誌
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| 2002年07月02日(火) |
クォーラス城からの脱出(ダグラス・ナイルズ/富士見文庫) |
<本書裏表紙より> きみの名はデレク・シャドーウォーカー。クォーラスいちのシーフだ。 ここ一年、クォーラスの民は、妖術師ハルスロンにあやつられた君主ケラル王の 残酷な圧政に恐怖の日々を送っていた。 ハルスロンが魔法の石の力をかりて君主をあやつっているらしい。 その石を手に入れれば、クォーラスの人々は静かで平穏な生活を送ることができる。 さあ、冒険の旅は始まった。 幸運を祈る!アドベンチャー・ゲームブック。
久しぶりに海外作品の紹介です。 本書の特徴はゲームブックでは珍しく、盗賊が主役という事でしょう。 王の城に一人で忍び込み、魔の宝石“イリュスティアの星”を盗み出す事が主人公の目的です。 最初に戦闘技術点・機敏度・忍び技術点の能力値を振り分け、フックつきロープや短剣など装備品を選び取ったら、すぐ城に潜入です。 冒険中は城の中でアイテムを拾ったり、休息して体力ポイントが回復する事はありません。 あくまで速やかに隠密に宝石を盗みだす事が目的。無用な戦闘も禁物で冒険に緊張感が漂います。 実際に挑戦してみると3回目の挑戦で、案外あっさりとクリアできました。ここまで正味30分しかプレイしていません。 しかし、これで終わりではないのです。本書の魅力はここから。 この作品はD&Dと言うTRPGの世界を元にしただけあって、行動の自由度が高い。城壁を越えるか排水溝から進入するかの最初の選択肢から、鍵開けに最高するかの成否まで、どの分岐もまったく違ったストーリーに進んでいくのです。 妖術師ハルスロンとの直接対決になることもあれば、顔すら会わさない事もある。 警備兵を避けながら中庭を走ることもあれば、一方でその地下の水路を孤独に歩く展開もある。 選択肢によって全然違う方法で“イリュスティアの星”の前にたどりつけます。 私は7回挑戦し内3回クリアしましたが、それぞれ違う内容が楽しめ、3度のエンディングも別々のものでした。 それから他の道よりはるかに簡単なクリア方法も発見しました。普通は考えにくい選択肢から進んだので、作者が隠しボーナスのつもりで書いたのかもしれません。
総評すると全パラグラフ数がわずか201しかないにもかかわらず、繰り返しプレイが楽しく内容が濃い作品。オススメです。 ただ、この内容だとタイトルは「クォーラス城への潜入」が正しいと思うのですけどね。
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