冒険記録日誌
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2002年06月23日(日) ドラゴンクエストII 悪霊の神々[上][下] (樋口 明雄/双葉文庫)

 いわずとしれた有名ファミコンRPGのゲームブック版です。一応ストーリー説明をしておきます。
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 ローラ姫と一緒にアレフガルドを旅立った勇者は、はるか遠い大陸に国を作り三人の子供をもうけました。やがてその国は3つの国(ローレシア・サマルトリア・ムーンブルク)に別れ、発展していきました。
 100年たったある日、ローレシアの国にムーンブルクから傷ついた兵士がたどり着きました。
 その報せは、大神官ハーゴンが破壊の神シドーを呼び覚まし、世界を破滅させようとしているというもの。
 その力にムーンブルクは壊滅させられたのです。
 ロトの血を引くローレシアの王子は、ハーゴンの野望を打ち砕くために冒険へと旅立ちます。
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 しかし、前作の主人公は名もしれぬ勇者でしたが今度はいやしくも王子様。
 単独で冒険に旅立ち、さらに世界を救えとは無茶苦茶な設定と思うが。
 また自分(ローレシア)の城なのに宿に泊まったりするのも理解不能。
 まあ原作がそうだから、ゲームブック版につっこみを入れても仕方がないですけどね。

 本書は「日本ゲームブック界初の上下2巻にわたる大作」が売りだったらしい。が、私がこれを見たときは、既に鈴木直人の「ドルアーガの塔」を読んだ後だったので、このキャッチコピーがほほえましく思えたものです。ま、双葉文庫のゲームブックで1冊で冒険が完結しないのはこの作品だけなのですが。
 ゲームブック版はローレシア王子が主人公。冒険は全て彼の視点で語られます。
 上巻の目的は、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女を仲間にすること。
 出会った2人はすぐキメラの翼で港町ルプガナに移動するので、上巻の冒険はずっと一人旅。まるで前作のゲームブック「ドラゴンクエスト 蘇る英雄伝説」のような雰囲気です。
 ただ上巻には、こちらが最高レベルだろうと、まず倒せない敵なんかもよく存在するので、調子にのっていたら簡単に死んでしまいます。ちなみにこんな敵に勝利したときの選択先を覗いて見ると、「ズルはいかんよ君」のような事を書かれていました。このフラストレーションは下巻ではらすしかないようです。
 港町ルプガナで再開した3人は、船を入手して船旅を始めるところで上巻終わり。

 下巻になっていよいよ3人パーティの冒険が始まります。
 バトルシーンも仲間が呪文を唱えたりしていますが、すべて文章上の演出だけでゲームシステムに大きな変化はありません。レベルアップに必要な武器、防具が3人分に増えたことくらいです。
 ドラゴンクエストII といえば、船を手に入れてからの行動の自由度がピカ1に高い事が魅力なのですが、ゲームブック版でもそれは継承しています。
マップを移動しながら、いろんな城や町やダンジョンや塔で情報やアイテムを集めてイベントをこなしていくシーンは、原作と同じ感覚でした。

 全体としてシステム的にも、前作「ドラゴンクエスト 蘇る英雄伝説」とほぼ同じ。
 軽いテンションやギャグも健在なので、前作が気に入った人なら問題なく楽しめると思います。


*おまけ*
 ドラゴンクエストのゲームブックといえば、もう一つエニックス文庫が出しているシリーズがあります。
 ネットで見る限りエニックス文庫版の評判はなかなかいいようです。
 特に
・ドラゴンクエストII[上]勇者の末裔たち
・ドラゴンクエストII[下]激闘!ハーゴンの神殿
の2冊は最も評価が高い。
 上巻の表紙イラストは、ロトの3人組みが竜に乗って空を飛んでいる姿。
これは竜王のひ孫がロトの子孫達をその背に乗せて大灯台へ飛んでいくという、原作にはなかったオリジナルシーンだそうでなんだかかっこよさげです。
 同じ竜王のひ孫でも、「竜王の城入場料/大人20ゴールド・子供10ゴールド」と自分の城に看板をたてて、観光で生計を立てている双葉文庫版とは大違いです。
 いずれこちらも挑戦してみようかと思っています。


山口プリン |HomePage

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