冒険記録日誌
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| 2002年06月16日(日) |
ミシシッピー殺人事件 リバーボートの冒険(樋口明雄/双葉文庫) その2 |
ジムは夜中にこっそりラリーの家に訪ねた。 「にゃ〜お」 窓から猫の鳴きまねで合図して、そっと脱出。 セントルイス墓地にある廃屋へ探検に出かけます。 そこで目撃した殺人事件。息を殺して身を潜める僕ら。 片側の梁がきしんで音をたてた。振り返る犯人達。 「にゃ〜お」 猫の鳴き声でごまかす僕ら。 犯人がいなくなった後に警察に話したけど、現場には死体も殺人の形跡もない。 警察官は「オオカミと少年」の話しでトクトクと僕らを説教した。 オオカミは本当にいたのに。
のっけから緊張するプロローグです。 私の好きな「トムソーヤの冒険」で良く似たシーンがあります。なかなか楽しい。 実はこのシーンをよく観察しておけば、後で有利になることがあります。冒険はもう始まっているのです。 さて、スタートはジムが主人公。推理が得意。 そして次の日。ジムの尊敬するマーク・トウェインが、講演の為にニューオリンズにやってきます。僕らは友達の少女ヴィッキーと三人で、蒸気船の止まる船着場に向かった。 (マーク・トウェインは実在の人物。「トムソーヤの冒険」の作者で彼の講演が大変に好評だったことも史実です) 船から降りてくる乗客達。銃声。 女性客の一人が銃で撃たれたのです。警察は僕らの意見も聞かず、被害者の傍にいた無実の女性を逮捕します。 僕は推理を働かせます。至近距離で撃ったのか、ライフルで船から狙ったのか、傍に誰がいたのか───。 と、こんな感じで話しは進むのですが、捜査中に読者が実際に推理をするシーンは少ししかありません。 序盤はタイムポイントが10あり、判断ミスするとポイントが余分に減っていきます。0になったらゲームオーバー。 システムだけなら「ファミコン探偵倶楽部」に近いかもしれません。 (ただ「ファミコン探偵倶楽部」が地道な聞き込みから推理を弾く方法だったのに対し、「ミシシッピー殺人事件」は疑わしい者に山をはって直接相手を捜査するやり方のようですが) でも、三人乗りの自転車で犯人を追いかけたり、逆に犯人達に監禁されたり、マーク・トウェインさんにかくまわれたり、なんだかドタバタ元気いっぱいの犯罪捜査です。 とにかく捜査の結果、犯人はまもなく出港する蒸気船の中にいるとわかった僕らは、船に飛び乗ります。 前半終わり。
蒸気船が出港してからの後半は、ラリーが主人公。こっちは行動派の少年です。 ここからタイムポイントは無くなって、体力ポイントをチェックすることになります。 もっとも後半は体力ポイントが減る事より、一つの選択ミスで、密航が見つかって川に落とされたり、犯人に殺されたりする方が厳しい。 しかし少年達だって、3人ぽっち(ヴィッキーもいる)じゃありません。 マーク・トウェインや同じ犯人を追っている私立探偵なども、船に乗っていて協力してくれるのです。 見事に犯人の正体を暴いた少年達は、犯人に追いかけれます。 この追いかけっこが、ハラハラドキドキ。 大人の救援が間に合って、最後は犯人と私立探偵の一騎打ち。最後はなかなか渋めのドラマで決めていました。 これでエンディングです。
*追伸*
それでなぜ私は昔、この本を手放さなかったのでしょう。 その理由がわかりました。それは・・・
まだクリアしてなかった
から。 終盤まで読んで気づきました。私の記憶違いです。 実はこの本、あと一歩のところでクリアできてなかったのです。 それで、またチャレンジしようと思っていたわけ。 いやもちろん、そう思ったのもお話し自体が面白かったからこそですよ。 「トムソーヤの冒険」が好きな人なら間違いなくオススメできます。 しかし、何とも間の抜けたオチでした。いやはや・・・。
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