冒険記録日誌
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| 2002年06月17日(月) |
ゾーヤブレイク1 マンフレットの館(テイチクレコード) |
本と言う形態をとらない、ゲームブック的な商品。 そう言うと“かまいたちの夜”のようなサウンドノベルゲームを連想します。 しかし、普通の音楽CDでゲームをしようと作られた商品もあるのです。 マインドナビゲーターと題するゾーヤブレイクのシリーズがそう。 パラグラフ数で言うと50くらいの分岐小説を、普通のCDラジカセを使って、音声で楽しみます。 具体的にどうプレイするかと言うと、早送り・巻き戻し機能をつかって、パラグラフ移動をするわけです。 「左の赤いドアを開けるなら3つ早送りボタンを。階段を上がるなら2つ巻き戻しボタンを押して下さい」 と、各トラックの最後に流れる案内の通り進みます。
CDの解説書には記者の古い取材記事のような形で、ゾーヤブレイクのシリーズの設定が書いてあります。
───昔、マンフレットの館では瞬間移動、いわゆるテレポートの実験が行なわれていました。科学者は幼い娘のゾーヤを実験台にしたのですが、実験は失敗。哀れゾーヤは時空の狭間に消えてしまい、彼女の潜在意識もカケラとなって多次元の時空に散ってしまったのです。───
「マンフレットの館」自体は、主人公がゾーヤの意識を集めるため屋敷を捜索するお話しですが、そのストーリーは曖昧です。必然性もなく屋内プールが現れたり、不気味な猫に食べられてゲームオーバーになったり、展開が不条理。バックに流れる神秘的なリラクゼーション系の音楽効果もあって、夢の中を冒険するような気分になります。 最後のエンディングは分岐していて、それぞれに診断結果が発表されます。 診断結果?それはあなたの深層心理の事。 つまり、ゾーヤブレイクシリーズとは、ゲームブックと言うより心理テストゲームの発展から生まれたような作品と言うわけでした。
シリーズは「夢を見る石」「ゾーヤの記憶」と続き、3作目で完結するようですが、私は「マンフレットの館」しか買っていないのでその結末を知りません。 同シリーズは既に廃盤です。 その後このタイプの作品は出ていません。もはやこの手法は幻の実験作で終わってしまったようです。
(追記) 続編が入手できましたので、2009年11月21・22日の冒険記録日誌にそちらの感想を書きました。
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