│←あたしの手からにじむ,血の滲まない努力。→│
世界が輝いて見える一日。
お尻にまだ青あざの残る少女のように、無邪気に 見知らぬ人からもらった物を、素直に喜べるなら。
でも。いつものように、 スーパーの四角いタイルの升目の境は踏まないように歩く。
今日は、切ったりしていない。でも。
「一人で生きてきた。」 あたしはそんな事言えないけど、でも、自分は自分で支えてきた。 ここ何年かは、そのサイクルが崩れて、周りの包みがはがされて、 中身むきだし状態になった。 そこに甘い蜜をかけられた。あたしはそれを求めるようになってしまっていたんだ。 甘い蜜なきゃ生きられない、そんな深い所まできていた。 急に甘い蜜が食べられなくなった。 あたしは待ちつづけた。甘い蜜が来るのを。 でも、もう食べる事は無かった。絶望だった。 二度、身を投げ出した。甘い蜜欲しさに自分を傷つけた。 でも、あたしに残ったのは、中身むきだし状態の、弱い弱い塊だけだった。 気付いた時には、包みはもう消えて無くなっていた。
もう一度包まなければ。 包みかけている所に、新しい甘い蜜がやってきた。 包みをはがしそうになった。 一瞬の不安が脳裏をかすめた。 もう、二度と同じ過ちは繰り返しては駄目なんだ。 だから、だから、強くならなきゃ。
* * *
いくら世界があたしの眼に輝いて見えようとも、 たとえ、幻覚で腐りきって黴の生えた世界でも、 あたしの存在を認めてくれるなら、 二つの世界は違うものではないのです。
あたしの大嫌いなビールや炭酸飲料やチュウハイなども、 あたしの知らない誰かが 何度も何度も会議と討論を重ねて作られているのだと。
もしも、あたしが居なければ。
此処には、何も存在しないのでしょうか。 あたしは、神様ではないので。 居るかどうかも判らぬ存在を信じるより、 今、此処に居る自分や、 あなたによって守られている自分や、 あたしに関わってくれるすべての人たちを 信じて生きたい。§2003年02月15日(土)§ |