風紋

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2005年02月13日(日) 街の味わい / 冬の夕方の空

とても久しぶりに演奏会を聴きに行った。私の住んでいるところからは少し行きにくく、行ったことのない街へ、いろいろな電車を乗り継いで行った。途中、乗り継ぎに失敗して駅のホームで20分待ちをする羽目になったりと、うぉぉぉ…とか、ここで走れば良かった…とか、下調べをしてくればよかった…と思いながらの道中であったが、電車の窓から外を見ると、それぞれの街がそれぞれの味をもっているのだなということに気がついた。同じようでよく見ると違うのが面白かった。どの街もそれなりの良さがある。


帰り道、ちょっと寄り道をして買い物をした後、乗り慣れた電車で帰った。

時間は午後5時頃。何も見るものがないので、自然と窓の外を見ていた。

不思議な空の色だった。青?赤?混じって紫?という感じの色。あっちを向けば深く濃い青色で、こっちを向けば穏やかな中に強さを秘めた、ピンクのような赤色がところどころに。あちこち見回していると、ところによって表情が違うようで、しかし一貫した雰囲気を醸し出しているような空。「こんな空だったよ」と言葉で述べるのがとても難しいけれど、「こんな空を見たんだよ」ということをとても伝えたくなるような、そんな空だった。

そういえば最近、ゆっくり空を味わったことがないな、ということに気がついた。少し余裕を失っているかもしれない、私。

やがてこの中から太陽の赤色が少しずつ消えて闇になっていくんだろうな、そして私はこのように空が刻々と表情を変える時間がとても好きだったんだということを思い出した。思い出して少しほっとした。

いま、「色の名前」(近江 源太郎, ネイチャープロ編集室、角川書店、2000年。この本)を改めて読むと、「日本語では夕焼け空を『茜空』とよび、夕映えの色を夕色、さらに薄暗くなった色を暮色と表現します」とのこと(p.27)。恐らく「夕色」と「暮色」の間くらいの時間だったのかな。

最寄り駅に着くと、だいぶと暗くなっている。でも完全に「夜」「暗い」のではないように思った。さっきの空を見ているからか、まだ完全に闇になっておらず、わずかに明るい部分を残しているのが愛おしく思った。

あ〜、寒いっ、と思いながら、コンビニエンスストアでトーラクのニューヨークチーズケーキを買って(こちら。最近私がとても好きなおやつのひとつ)、帰途についた。

ほんとは買い物のついでに喫茶店でケーキでも食べたかったが、人が多くて疲れたので家で楽しむことにしたのだ。

演奏会についてはまた書くかも、書かないかも。


追記:いま、カウンターを見たら11139でした。あまり最近カウンターを意識しなくなっていたのですが、読んで下さってありがとうございます。11111はどなただったのだろう。


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)