風紋

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2004年10月16日(土) 音楽を聴く

いろいろな音楽を聴いている。と言っても、どういう状況で、どんな音楽を、どのくらい聴いているのかと問われると返答に困るのだけれど。ひとつ言えるとすれば、最近の私は「初めて聴く曲」よりも「聴いたことがある曲」を中心に聴いている。

音楽は、演奏する人と、それを聴く人がいる。私は演奏するという立場にも立ったことがあり、現在も演奏するという立場に立ち続けている。そのような立場で、聴いている。時には私自身が実際に演奏したことのある曲も聴く。

よく考えると、学校で音楽の授業を受けたりカラオケに行ったりということを通じて、大抵の人は「演奏する立場」に立ったことがあると思われる。ただ、私の場合は、5歳からピアノをはじめたり、吹奏楽を続けたり、合唱をしたりということで、音楽との関わりが深く、「演奏する立場」「聴く立場」ということについても考える機会が多くあるということなのだろうと思う。

聴いていると、いろいろなことを感じる。時には、その曲と出逢ったときの私自身や周りの状況に思いを馳せることもある。それは私が実際に演奏に携わった曲であれば特に感慨深く思いを馳せる。あの頃の私はこんなふうであった、このようなことを感じこのようなことに悩んでいた、周りにはこんな人々がいた…など。

時には思わず身体が動くこともある。ここでは深くブレスを取る。ここは少し姿勢を立て直す必要がある。ここは歌い上げる。ここはピアニッシモだけれど思いを込めて。など。曲に合わせてブレスを取ったり、前のめりの姿勢になったりということもある。

そのようなことをしていると、過去の私と出逢えるような気がして楽しい。楽しいという言葉のニュアンスとは少しずれるかもしれない。思わず笑みがこぼれる。懐かしくてほろりと涙することもある。そんな“過去”が複数あらわれることもある。

あの頃から私は少しでも成長したのかな、私はあの時に持っていて今は持っていないものはあるのかな、あの時に持っていて今は持っているものはあるのかな、と少し思う。答えを出したくなりながらも、“ま、いっか”と思って音楽自体を楽しむことに戻る。

芸術の秋。そして私は今も時折、よいしょと楽器をかついで、いそいそと楽器を吹きに出かける。あるいは、ふとした作業の合間に歌ったりハミングしたり。


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)