風紋

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2003年06月20日(金) turning point

あまり日記をうまく書ける気がしない。ものすごく不器用ながら一応書けたとしても、私以外の誰の役にも立たない記述だと思う。こういうことをこういう姿勢で書くのは良くないと思う。けれど、「書かないよりはましだ」というただそれだけの(直感的な)理由で書く。

発表。準備の段階で、発表資料を作成する時に新しい文書に古い文書を上書き保存してしまったり、メーリングリストの投稿先アドレスを誤って認識していて何度やってもメールが届かなかったり、どうもただで済みそうにない雰囲気はあることはあった。当日も、プレゼンテーションに使う予定だったノートパソコンが行方不明だったり(他の授業で使用中だったらしい。別のパソコンを使ったのだが)、体調がどうも良くなかったりと、いろいろとあったのだけれど、発表自体は乗り切った。というか、出来はともかくとして、少なくとも持ち時間の最初から最後までは居続けられただけと書いた方がよいか。

ただ、最後に、ある先生から頂いたコメントが、あまりにも的確に私の現在の欠点を把握された上でのコメントだったのが、かなりこたえた。欠点…という表現が適切なのかどうかわからないけれど、今の私の研究の一番弱いところであり、一番迷っているところでもあり、「これからどうしたらいいんだろうか」と思っているところでもある。だから、コメントを頂いて、かえって良かったというか、安心したところもあるのだけれど。

動転していたのであまり細かいことは覚えていないのだけれど、端的に書くと「あなたが研究を通じてアピールしていきたいことが見えない」ということだった。自分がこういうことを伝えたいということや、自分がこの研究を続ける動機・発表する動機は何なのかということが伝わってこない、と。特に私のテーマだと、他分野の人達や全然研究と関係のない人達にも伝えていくことも必要になるだろうし、そのあたりをもう少しはっきりさせる必要があるのではないか、と。…まさに今は、その辺に迷いがあるから、そりゃ聞き手にも伝わらないだろうよ、と思った。あぁ見破られたな、ばれる人にはばれていたんだなと、ある意味ほっとしたものの、どうしたらいいんだろうと途方に暮れて、発表後にそっと退室して研究室で泣いていた。泣きたくなんかなかったし、泣いてもどうしようもないことはわかっていたが、コントロールがきかなくなっていた(恐らくこの辺りが私の弱点だろう。まだ授業自体は続いていたので、落ち着いた後にもう一度戻ったが)。

私、誰に対して何を言っていけるの? 私は私の立場から何ができるの? 何を見るの?と思った。結局、私はどこまでも自分のためだけに研究をしていたのかもしれないなと思った。自分が救われたかっただけかもしれない。この経緯を、師とも姉とも慕う人に話すと「誰に向かってものを言っていくのか、誰に向けて論文を書くのか、誰のために論文を書くのか…ということではないか」と言われた。言葉に詰まった、というのが現状だ。

自分のことと近づきすぎてもだめだ。私は自分自身の状況との照合が強すぎるのかもしれないと思う。しかし、自分から乖離しすぎると上滑りになってしまう。

今まで、私は何もできなかったと強く思う(今までしてきたことを過小評価しているのかもしれないが、実感としてそう思う)。ただ、今までのことは今までのことで、次にどうしようと考えた時に、止まってしまう。これからも、何もできないような気がする。どうせ何をやっても無駄だという気もする。一方で、何かをしたいという思いがなくなったわけではない。あきらめたくないとも思う。

自分でも混乱して、ものすごく根本的なところで間違いをしているのかもしれないけれど、“もう何もできない”という思いと“まだあきらめたくない”という思いの間でふらふらしていて、今は、もう無理かもしれないという方に重みがかかっている気がする。次に何をしようと考えようとしても、“もう無理だろうし、もともと無理だったんだよ”という気持ちに悉く呑み込まれてしまう気がする。一方でそれが悔しいし不本意でもあるし。

立ち止まるのが生産的でないことはわかっているし、歩きながら考えることも可能だと思うけれど、少し立ち止まりたい…と思うのも現状である。休学・退学も考える。糸が縺れて解けないというか、…縺れた糸を解いてみたら実は切れていたというオチかもしれない。

午後からは話もできないほど疲れ果てて、時々はこっそり泣いて、途方に暮れていた。それでも20時くらいには大学に何となく残っていた。帰り着いたら疲れ果てて、やっぱり泣きながら寝た(…眠れなかったが)。

(2003/06/21,18:00記)


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)