今日はユイマ君たち5年生は社会科見学だった。行き先は2箇所。ひとつは、伝統的な手法で和紙づくりをしている工房の見学と和紙づくり体験。もう一つが、近代的な自動車工場の見学だった。 朝は7時半学校に集合してバスで2カ所めぐり、4時前には学校に戻ってくる予定だった。
5時過ぎに私の携帯にユイマから電話。予定が大幅に遅れて帰宅も1時間以上遅れたらしいのだ。「今帰ってきたんだよ〜。遅くなっちゃった、疲れたよ〜。塾の宿題やってない、どうしよう、塾、行きたくない〜」ユイマが塾に行きたくないときの、いつものセリフだ。「もう、遅れちゃったよ。僕行きたくないよ、疲れちゃったよ〜」と不機嫌そうな声を出している。
社会科見学そのものでも、バスが1時間以上も遅れたことでも確かに疲れたのだろう。しかし、ユイマは割合と気分で何事もいやになりやすい人だ。何か理由があって言っているのではなく、あくまでも「気分」にすぎないから、大抵は「やるべき方向」でやらせるようにしている。すると、案外できてしまって、しかもできてしまったあとはケロリとしている。屁理屈みたいな理由を付けながら「いやだ〜」というユイマを受け止めつつも、さらりと、やるべきことをやるよう進めるのがいつもの私のやり方。
ユイマの塾の先生は「宿題忘れることもあるよ、でも気にしなくていいんだよ、まだチビなんだから忘れることもあるよ!でもまた次があるんだから大丈夫!」と仰る先生だ。子供の成長、学習をいつも長い目で見てくれている。だから私もユイマに「宿題忘れちゃっても大丈夫、今日行って今日の勉強をちゃんとやってくればいいんだよ。先生だっていつも仰っているじゃない?とにかく行ってらっしゃいよ」と言ってみる。
するとユイマは「やだよ〜。行きたくないよ〜。だったら僕、宿題やってから行くよ〜(ぐだぐだぐだ)」
「わかった。じゃ、遅れても良いから宿題やってから行きなさい、宿題でもなんでも好きなようにしていいよ。でもちゃんと行くのよ。がんばってね。がんばるのよ。」と励ました。
その後、仕事を終えて保育園にノイノイのお迎え。ふと気になって保育園のすぐ近くのユイマの塾に様子を見に行った。駐輪場にユイマの自転車がとめてあったので、ちゃんと塾に来ていることが分かる。ノイノイをだっこして、塾の入り口付近で少し時間をつぶしていると、先生に見つかってしまい(別に隠れてたわけじゃないけど)、中に入れてもらった。私たちの姿を見つけたユイマは、なんできたの?!とちょっとイヤそうな顔をしている。どうやらすごく照れているようだ。
さて、授業を終えた先生からこんな話を伺った。 今日ユイマ君は疲れていたようですね。別の学校だけど、6年生の子も今日は社会科見学で、結局疲れて調子が出ないから塾をお休みしたんですよ。その子のお母さんは「行かせますから!」って言うので、私は言ったんですよ、無理しないこと。1回や2回のお休みなんて、全然問題にならない。すぐにどこででも取り返しが付くんですよ・・・って。
私はちょっと恥ずかしくなった。そして「今日、私、ユイマに、がんばって行きなさいって言っちゃいました。そしたらユイマは宿題やってから行くって言ったんです。」と小さな声で答える。
すると先生、「ああ、本人が行くって言ったんですね。じゃぁいいんですよ!・・・そうか宿題やっていたから今日遅れてきたんですね。・・・大丈夫ですよ、お母さん。ユイマ君、しっかりできてますから。あの子は自分でちゃんと出来る子ですから。心配いりませんよ。」
塾の先生がこんなに良い先生で本当に良かった。 親も救われます。
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