東京都美術館に、都立芸術高校の卒制展を見に行った。
ジュンコの作品は、随分内向きな自閉的な作品になっていた。何というか、見る人へのサービスが足りないっつーか、それを拒否しているというか。 もしも表現したいものがあれば、それは誰かに伝えたいと思うことにはならないのか。あるいは、表現したいものが強くあれば、それは自ずと見る人に伝わってしまうものなのではないか、私はそんなふうに思っているのだが。ジュンコの絵、ジュンコ以外の生徒さんの絵も、多くが、他人の理解を拒否し、ひたすら自分の中にこもっているように感じられた。(もちろんそうでない絵もあったが)
予備校から帰宅したジュンコに正直にそのことを伝えると、だからいやなんだよ。会期が7日間でほんとに良かった。早くひっこめたい、と言っていた。そのときは、いいような気がしていたけど、ああやって展示されると全然だめだ、ってことがよく分かる、とも。 そうか、自分でも分かっていたのか。(そりゃ、そうだよね。当たり前だ。)
2年前、つまりジュンコが入った年の3年生っていうのがすごかった。先生方も10年に一度の3年生だったのだ、と言っているそうだが、その3年生の卒展は圧倒されたね。もちろん、入ったばかりでこちらもウブ、じゃなくて、慣れていなかったので、余計にびっくりしてしまったのかもしれないが、力のある作品が多かった。これはいいねぇ、と絵の前にしばらく立ちつくすような作品やら、これは一体・・・としげしげと眺めてしまう彫刻作品があった。高校生とは思えぬ完成度の高さだった。
3年たってこちらの見る目が厳しくなったのかな。それともやっぱり今年の子達は「ひきこもり」傾向があるのかな。他の人の感想が聞いてみたい。(お父さんは来週帰京し、見に行く予定。さて彼の感想は如何に?)
(お父さんの感想はこちらにあります)
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