 |
 |
■■■
■■
■ 冷酷
この前見かけた光景。 クライアントからの帰り、某JRの駅前に救急車が一台止まっていた。 「なんかあったのかな?」と思いながら、改札を抜けホームに上がってみると、 そこには70をとおに過ぎた位のお婆さんが倒れていた。 おそらく仰向けに転んでしまったのだろう。 後頭部からは少量ながら、血が流れていた。
救急隊員が救護している周りには、結構な数のやじうま。 あちらこちらで、ヒソヒソ話しをしている。 「倒れちゃったのねぇ〜」 「危ないわねぇ〜」 「大丈夫かしらねぇ〜」・・・など心配している言葉が聞こえてくるが、 その表情を見てみると、およそ心配しているような顔つきをしていない・・・ そして、耳に入った極めつけ・・・ 「やぁね〜血が流れて・・・汚いったらありゃしない・・・」
おいっ!おばさん!それはないだろう? そんな口を叩くあんたの体内にも、赤い血が流れてるんじゃないのか? 汚いだぁ?本人の身にもなってみろよ<お・ば・さ・ん それとも何か?おめぇのは緑だとでもいいてぇか?
などと考えていたら、ふと昔のこと思い出した。
もう何年も前になるが、車で東京の警視庁の前、桜田門の交差点を右折していた時、 目の前を走っていた中型バイクが、他の車の幅寄せにあい、いきなり転倒した。 「あらあら」と思いながら、車を止め「大丈夫ですか?」と降りていった。 バイクの青年は「大丈夫です。すみません」と言っていたのだが、 その時自分の後ろから警官が1人。 開口一番「はい。免許証と車検証持ってきて」 「はっ?何もしてませんが?」 「だって君、接触事故だろう?」 その時、バイクの青年が「違います」と言ってくれたから事なきを得たが、 彼が意識不明や、死亡・・・なんてことになったら、 間違いなく逮捕になったんだろうと思うとゾッとする。 これじゃ冤罪も増えるわけだと、つくづく思った。
そしてその時、止めてある自分の車横を通り過ぎる車の中から、好奇の視線を数多く浴びた・・・
都会の人間の冷酷さをまざまざと見せ付けられた思いだった・・・ そして、今回もまた・・・・・・
2002年04月17日(水)
|
|
 |