on a wall
亜栗鼠



 伝える

私にとって、「伝える」と云う行為は、とても難しいこと。

苦しんで苦しんで、やっと伝えられた。

たったこれだけのこと。
けれど、私にとってはとても重要なこと。


「沢山吐き出したね。」
と言われたが、実は何を吐き出したのか、あまり憶えていない。
けれど、ずっとずっと伝えたかったことは伝えられた。

「一緒に暮らしてることで安心してた。ごめんね。」
そう言ってもらったことで、何かがすーっと軽くなった。

離れていた頃は、恐らく言ったこと無いはず。
「私を見て。」
最近、どうして私が何度も何度もこう言っていたのか。
何度「いつも見ているよ。」と言われても、
それでも何故何度も何度も「私を見て。」と言っていたのか。

一緒に暮らしていることで、本当に気付いて欲しいことに気付こうとしてくれなくなっていたから。
やっと見付けた安心出来る場所だったはずが、
また一生懸命我慢するようになっていた。
タイミングを失っては蓄積していた。
とてもとても小さなこと。
けれど、とても重要なこと。
けれど、タイミングを逃すとどんどん忘れていくこと。
言えなくなってしまうこと。

宝石よりも、
洋服よりも、
豪華な食事よりも、
ずっとずっと欲しかったもの。

ぽつりぽつりと
しずかに
ゆっくりと
おはなしできる
じかん


私は
妻であり
恋人であり
愛奴


今でも、この文章を書きながら涙が溢れそうになる。
何故だろう?
どんな涙なのか自分でもわからない。

文章も滅茶苦茶になってきているでしょう。


きっと、まだ伝えたいことは沢山あるのだと思う。
また、ゆっくりとお話し出来る時間を作ってくれたとき
そのときに、また少し伝えられたらいいな。


とてもとても苦しかったけど
随分と楽になった

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2002年10月13日(日)
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