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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2004年09月02日(木)
Vol.502 スクーターに乗って

おはようございます。りょうちんです。

この夏、俺は念願だったスクーターを手に入れた。前々から欲しいと思っていたのだが、俺には車も自転車もあるのにわざわざ大金をはたいてスクーターを購入するのもどうかと、長い間ずっと躊躇していた。そんな折、車の免許を取ったバイト君がそれまで愛用していたスクーターの処分に困っているというのを聞きつけて、彼から格安で譲ってもらったのだ。
そういえば俺も大学生になって車の免許を取るまでは、ずっとスクーターを愛用していた。問題集を一夜漬けで頭に叩き込み、初めて幕張の免許センターに行ったのも確かあの時だった。それからはずっとスクーターばかり乗り回していた俺。寒い冬の日でもどしゃ降りの雨の日でも、学校に行く時もバイトに行く時も遊びに行く時も、いつも俺の移動手段はスクーターだった。それまでのチャリンコライフとは比べものにならないほど、スクーターという小さなマシンは俺の行動範囲を広げてくれたのだ。
あれから10年以上も時が過ぎて。俺は再びスクーターに乗るようになった。最初は運転もおっかなびっくりだったけど、ちょっと走っているうちにすぐにあの頃の感覚がよみがえってきた。蒸し暑い真夏の夜でも、スクーターに乗ると風を体中で感じることができる。夏の風をひとり占めできた気がして、なんとも気持ち良い。思わず歌い出した俺の大きな声は、過ぎてゆく風の中で見事にかき消された。
今では雨が降らない限り、俺は仕事も買い物も実家に帰るのもほとんどスクーターで行動するようにしている。そんな中、スクーターに乗っていると季節を感じることができるんだなぁと気づくようになった。車のフロントガラス越しじゃ感じ取れないことも、スクーターに乗っていると敏感にわかる時がある。空気がひんやりしてきたとか虫の声が聞こえるとか、ここ数日そんなことに気づかされた。草のにおいがすると思ってふと目をやると、早くも稲刈りが始まっている。日中はまだ暑い日が続くけれど、もう秋はすぐそこまでやってきているのかもしれない。