
|
 |
| 2004年06月15日(火) ■ |
 |
| Vol.488 ココロに残った傷 |
 |
おはようございます。りょうちんです。
小学校生活と中学校生活の大きな違いのひとつに、部活動がある。俺の通った中学では部活動は必須ではなかったのだが、生徒のほとんどが何かしらの部活に属し、俺も入学したての頃は未知なる部活動の世界に期待を抱いていた。今なら迷わず野球部に入るであろう俺なのだが、当時は「身長が伸びるかもしれないよ」という先輩からのうさん臭い勧誘にそそのかされて、軽い気持ちでバレー部に入部した。 そして、地獄の日々はここから始まった。昔のスポ根ドラマのような時代遅れの理不尽で意味もなく必要以上に厳しい練習と、完全に完成された管理教育からなる強制と押し付けを好む顧問の先生のやり方に、俺はずっと苦しめられた。練習で失敗したり決められたこと以外の行動をすると、顧問の先生から平気で殴る蹴るの暴行を受けた。その衝撃で口の中を切ったり鼻血を出すなんてこともしょっちゅうで、白い体操服に何度赤い染みを作ったか数え切れない。カラダはいつも傷だらけで、毎日びくびくしながら過ごしていた。今でこそこんな教育方針は考えられないが、それでも顧問の先生は一部の生徒や父兄さんから教育熱心で熱血漢だと言われて人気もあった。俺は、どうしても好きになれなかったけれど。 逆らうことなんかできなかった。というか、当時の俺はこれが普通なのだと思い、部活とはこういうものなのだと考えていた。バレーボールを楽しもうなんて余裕は微塵もなく、ただ怒られないようにチームメイトの一員として集団に同化することにすべての気を使っていた。毎朝7時からの朝練は吐き気がするくらいイヤだったし、チビで運動神経も良いとは言えない俺は引退するまでレギュラーの座を手にすることもなかった。最後の試合に負けて引退が決まった時は、正直言ってこの地獄から解放されることがうれしくてたまらなかった俺だった。 あれからずいぶん時は過ぎ、暴行を受けた時のカラダに残った傷はきれいになくなった。でも、今でも時々あの頃のことが悪夢となってうなされる時がある。カラダに残った傷は消えても、ココロに残った傷は永遠に消えないのかもしれない。
|
|