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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2004年05月14日(金)
Vol.476 遠い街のどこかで

おはようございます。りょうちんです。

長年東京暮らしをしていた友達が、実家のある長崎に帰ってしまった。それはあまりにも突然の出来事で、3月に一緒に伊豆に行った時も、4月に誕生会をやった時も、俺はなにひとつ知らなくていつものようにバカなことを言い合ったり大騒ぎをしていたのに。引っ越しの知らせを知った時はすでに東京をたつ1週間ほど前で、俺は彼にあわてて電話を入れた。
彼はホントに楽しい人だった。集まった時はいつもみんなを笑わせてくれて、彼がいるだけでタイクツなんて忘れてしまえた。そんなおちゃらけたキャラクターだと思っていた彼の、別の一面を知った時があった。俺が相方とケンカをした時、彼は俺らのことを本気で心配してくれたのだった。優しいコトバやアドバイスをしてくれて、彼は楽しいばかりじゃなくこんな繊細な部分もあるんだなと、その時から俺は彼を見る目が変わった。
送別会の日も特にしんみりすることはなく、いつもと同じように楽しくふざけてばかりの彼がいた。いくら長崎に帰るとはいえ、またしょっちゅう東京に遊びに来ると彼は言っている。二度と会えないわけじゃない。どうせみんなのことだから、集まる時は彼にもお声がかかるだろうし、彼がいなくたって彼の話題は当然出てくるに違いない。だから俺もさみしいなんて気持ちはなく、笑顔で手を振った。
でも彼にとってみれば、大学入学と同時に上京してきてから、長い間暮らしてきた東京を離れていくのはやっぱりさみしいことだと思う。今までのライフスタイルが一変して、また新たな生活が始まってゆくのだから。「長崎に帰ることに全然抵抗はないよ」と彼は笑っていたけれど、彼の瞳の奥ではひとつの覚悟ができているように俺は感じた。
彼が東京を離れてから、もう1週間が過ぎた。彼は長崎の遠い街のどこかで、今日もがんばっているだろうか。