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| 2004年05月09日(日) ■ |
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| Vol.473 母の日に花を |
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おはようございます。りょうちんです。
いつものように、仕事帰りに寄った真夜中のスーパー。店内の一角に、普段見かけない花売場のコーナーがあるのに気づいた。そうか、今日は母の日だったんだ。 まだ保育園に通ってた頃、父の運転する車に乗って駅前の花屋までカーネーションを買いに行ったことがあった。誰かに母の日にはカーネーションを贈るんだと教えられた俺は、父を車に残してたったひとりで花束を買いに行った。買った花束を母にプレゼントしたことなんてすっかり忘れてしまったが、赤やピンクのカーネーションの花束をひとりで買いに行ったことだけは、今でも鮮明に覚えている。 その時以来、俺は母の日に花をあげたことがない。というか、自分の誕生日などは必要以上に意識しているのに、母の日なんてマイナーな記念日は毎年ついつい忘れてしまうのだ。去年だって、母の病室に弟やいとこからもらったたくさんのカーネーションを見つけて、初めて母の日だったことを知った俺だった。 店内を一周してひととおり買い物を終えた俺は、再び花売場の前で立ち止まった。カーネーションの他にも、ガーベラやブーゲンビリアやあじさいの鉢植えも並んでいる。しかしよく見ると、どれも今ひとつの咲き具合なのだ。どことなくしおれ気味だったり、全体的に小ぶりだったり、つぼみがほとんどなかったり。そりゃそうだ。日付が変わってすでに月曜、母の日はもう終わってしまった。ここに並べられているのは、売れ残ってしまった花たちなのだ。 ずいぶん長い間、俺は花とにらめっこしながら考え込んでいたのだが。いちばん奥に隠れていた、白いあじさいの鉢植えを買うことにした。ずいぶん小ぶりだが、つぼみはまだいっぱい持っている。梅雨がやってくる頃には、きれいな花をたくさん咲かせることだろう。病人に鉢植えをプレゼントだなんて縁起が悪いけど、母はきっとそんなことなんて気にしない。明日、この鉢植えを持って母に会いに行く。一日遅れだけれど、あの日以来ホントに久しぶりに母の日に花をプレゼントする。母は喜んでくれるだろうか。もうじき、母の退院も待っている。
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