
|
 |
| 2004年03月01日(月) ■ |
 |
| Vol.446 母との口ゲンカ |
 |
おはようございます。りょうちんです。
どういうわけか、今日は朝からなんとなく機嫌が悪かった。積もりはじめた雪の中、わざわざ車を出して実家に帰ったのに。着いた早々、母とほんの些細なことで口ゲンカになってしまった。以前なら、こんなたわいもない言い争いなんてしょっちゅうだった。母は口から先に生まれてきたような人間だったし、俺が昔から母に言われてきた理屈っぽいという性格も、実は母譲りなのかもしれない。 でも、久しぶりの母との口ゲンカはちょっと違った。いつものように、俺は母に向かって少しだけ声を荒げて言い分を述べた。すると母は、瞳にいっぱいの涙をためてじっと俺を見るではないか。いつもなら俺よりもさらに大きな声で、俺の言い分を一蹴して反論するのに。まるで叱られる子供のように、やがて母はぼろぼろと泣き始めたのだ。俺はあわてて謝った。機嫌が悪かった俺も悪いのだが、やっぱり涙を流されたらどうすることもできない。母はダダをこねるわけでもなく静かに俺の謝罪を受け入れてくれたが、俺は泣かせてしまったという現実がショックだった。 父や弟に聞くと、最近母はかなり涙もろいのだと言う。昔から何度か母の涙を見たことはあったけど、去年大病を患ってから母は良く泣いているのだそうだ。特に今回のように激しく言い争ったりするとすぐに泣いてしまうんだそうで、父も少し苦笑いをしていた。病気をして気が弱くなってしまったのか、言いたいことを上手くコトバにできなくて悔しいからか、その原因は母本人にしかわからないのだが。 でも、子供のようにすぐ泣くのもどうかと思う。いつだったか弟が、「そうやって人は年を取るとまた子供に戻ってゆくもんだよ」と言っていたけれど、母はまだ子供に戻ってゆくほど老いぼれていない。昔のような強かった母に戻れとは言わないが、病気のせいで気持ちまで弱くなってしまったのなら、もっともっと強くなってほしいと思う。母は元来、そういう人なのだから。 そのあとはなんだか居心地が悪くて、夕飯も食べずに早々と帰ってきてしまったけれど。すっかり雪景色で白くなった帰り道、そんなことを考えていた。
|
|