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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2003年12月18日(木)
Vol.412 サマーな男

おはようございます。りょうちんです。

すっかり寒くなった。朝は布団から出るのがかなり辛いし、冷たいお茶よりも温かい方が魅力的に感じたりするようになった。年が明けて冬がもっと深まり、これからさらに寒さも厳しくなってくると思うと、ちょっとココロも沈みがちになる。そんな中、ちょっとびっくりする光景に出会った。
先日のこと。その日もかなり寒く、朝からどんよりと曇った空は夕方には雨になった。ラジオではその日の最高気温は8℃だと言っていたが、もう日も暮れてさらに温度は下がっていただろう。吐く息も真っ白に凍り、夕闇の霧雨の中を上着のポケットに手を突っ込んだまま、俺は肩を縮ませて歩いていた。身を切るような寒さが、必然的に足取りも早めていた。
ふと信号待ちで足を止めた時、道路越しの向こう側の歩道にその男はあらわれた。最初、ぼーっとしていた俺は彼のことが目に入っても何とも思わなかったのだが、次第にその不自然さに気付き目が離せなくなった。年齢不詳に見えた彼は、なんとまったく夏のいでたちで立っていたのだ。半袖Tシャツにハーフパンツ、サンダル履き。腰には、雨を拭くためかもしかしたら汗を拭くためか、タオルがぶら下がっている。そして、右手には缶コーラ。きっと冷たく冷えているに違いない。たしかに、そこだけを切り取って見れば充分に夏の装いなのだが、今は明らかに12月。この寒空の下、かなり場違いなサマーな男なのだ。余計なお世話だが、彼は本当に寒くないのだろうか?
風呂上がりで、まだカラダが火照っているのかもしれない。それとも何かのバツゲームか。追いはぎに遭ったとか、それしか服を持ってないとか? 一瞬のうちに、いろんな推測をしてしまった俺。やがて信号が青に変わり、彼とすれ違った。彼はいたって普通に俺の横を通り過ぎ、結局真相はわからないまま。昔、小学生だった頃。一年中、もちろん雪が降る日でも半ズボンで登校していた友達はいたけれど。今でも、謎は深まるばかりなのだ。