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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2003年11月20日(木)
Vol.398 手紙

おはようございます。りょうちんです。

相方とケンカをしたあと、俺の元に届いた1通の手紙。速達の印が押してある相方からの手紙は、俺の部屋の新聞受けに届けられていた。メールや電話でさんざん言い争いをして、お互いがとげとげした気持ちのまま。俺は手紙の封を開けるのをちょっとだけ躊躇した。今度はどんなコトバで俺を責めるのか? どういった厳しい文章が書き込まれているのか? そして俺は、相方からの手紙にどんなコトバで反論しようか? そんなことさえ考えながら、俺は手紙の封を切って読み始めた。
しかしそこには、俺を責めるコトバなんてひとつもなかった。俺の予測を見事に裏切って、飾りのない便箋に、俺への謝罪と反省のコトバが書き綴られているだけだった。相方の素直な気持ちが、クセのある文字からひしひしと伝わってきた。文面を読み進めていくうちに、涙が止まらなくなった。相方のホントの気持ちを綴った文章は、俺の胸に鋭く突き刺さった。反省しなきゃならないのは俺の方なのに。誤る必要があるのは俺の方なのに。自分のことばかりを考えて相方の気持ちなんて全然考えてなかった自分が、なんだかとても恥ずかしく思えてきた。
俺は、手紙を何度も何度も読み返した。意地を張っていた自分を戒めるためにも、何度も何度も読み返した。そうやって相方の想いを、俺の胸に刻みつけた。あんなにとげとげしていた気持ちも、いつのまにか温かい気持ちでいっぱいになった。
そして。俺は相方に手紙を書いた。数年振りに封筒と便箋を取り出して、テーブルに向かった。意地なんて張らないで、素直な気持ちになってこの想いを伝えたいと思った。ひとつひとつコトバを確かめながら、俺は丁寧に気持ちをしたためた。俺の文才じゃ、想いの半分もカタチにできたかどうかわからないけれど。一生懸命、俺の気持ちを文字に託した。速達で出せば、明日の朝には相方の元へと届くに違いない。俺はあわてて車に乗り、郵便局へと急いだ。