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| 2003年10月18日(土) ■ |
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| Vol.383 隣の芝生は青く見える |
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おはようございます。りょうちんです。
市役所に勤務するPくんは、毎日定時の5時で仕事が終わるんだそうだ。残業は年に数えるほどしかなく、選挙など特別なことがない限り週末は休みだし、公務員だからお盆休みも正月休みももちろんある。きっと有給休暇なんかもそれなりに自由に取れるに違いない。一方俺はというと。就業時間は毎日不規則だし、日によっては1日15時間も働いちゃう時だってよくあるし、休みの日も電話1本で駆けつけなきゃならないことも頻繁にあるし、まとまった連休なんて遠い夢だったりする。 「市役所はいいなぁ」とPくんにこぼすと、彼はこう反論した。「俺だって仕事から帰ってきたら、新聞は読まなくちゃいけないし、インターネットだってチェックしなきゃならないし、ジムにだって行かなくちゃだし、何かと忙しいんだよ。やりたいことはたくさんあるのに、いくら時間があってもたりないよ〜!」。 ところがそんな中、今度は先日の新潟旅行のことを知るIくんにこんなことを言われた。「旅行かぁ。いいよなぁ、お前らは暇で!」。おいおい、ちょっと待て。俺はけして暇なんかじゃない。毎日眠る時間も割いて仕事して、なんとか苦労して作った時間の中でたった1泊しかできなかった窮屈な旅を実現させたのだ。旅行の楽しいひとこまだけを切り取って話せば、それが優雅に時間を使っているように思えてしまうかもしれないが、本当はめちゃくちゃ多忙な日々の中での旅行だったのだ。そんな発言が一瞬喉元まで出かかったが、俺は静かにコトバを飲みこんだ。 そうか。これが、隣の芝生は青く見えるということかもしれない。みんな忙しい中を生きているのに、ほんの少しの断片的な情報だけでそれがすべてだと錯覚してしまい、他人のことを暇だと誤解しうらやんでしまう。きっとPくんも、本当は忙しいのだろう。自分の尺度では他人がどのくらい忙しいのかなんて正確に測ることはできないから、こういったことが起きてしまうに違いない。時間は誰にだって同じだけ流れている。忙しいと思う前に、他人のことをうらやむ前に、時間は自分で作っていかなくちゃ。そんなことを改めて思った。
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