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2003年03月16日(日)
「200万円のマンガ」は高いと思いますか?


「鑑定!お宝『マンガ古書』」(別冊宝島編集部編・宝島社文庫)より抜粋。

(マンガ古書の蒐集家が、時価200万円といわれる、藤子不二雄のデビュー単行本「最後の世界大戦」を買うために、車を買うという口実で銀行ローンを組んだという話について)

【たかがマンガごときに銀行ローンを、と感じる人は多いかもしれないが、蒐集の対象としてのマンガ古書は、じつはかなり経済的な趣味(というのも、本来は変な言い方になるが)なのである。だいたいコレクションというものは、対象がなんであれ、五年や六年程度で極められるわけではない。何十年もの積み重ねが必要だ。そう考えるとマンガ蒐集の「安あがり」な点が良くわかる。たとえば、月々三万円程度を蒐集に費やしたとして、年間の出費は三十六万円、三十年間続ければ総額は一千万円強だが、それだけあれば、「お宝中のお宝」と評価される本をほとんど買い尽くせてしまう。】

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 このあと、著者は「マンガ蒐集という趣味が、どこまで今後趣味として社会的に認知されるかどうかはわからないけれど、絵画ではとうてい極められないような頂点を極めることだって可能なんだから」と書いています。
 確かに、1千万円で絵画蒐集をやるのは、少なくとも「評価が定まっている絵」に対しては難しいと思います。世界的に有名な画家のそれなりの作品は、何億、何十億とするのがざらにありますから。
 実際、趣味にかかるお金っていうのは、天井知らずなところがあるし、集めるものによっても全然違ってきますよね。その人の経済状態によっても違ってくると思いますし。

 僕が学生時代には、テレビゲーム一本が1万円近くしたり、映画を一本観るのに1500円くらいかかったりすることに、「ゲームや映画っていうのは、金がかかる趣味(?)だなあ」とずっと思っていたのですが、いざ大人になってみると、一晩の宴会で1万以上使ってしまうこともあって、「ゲームや映画っていうのは、けっこう『安上がり』な趣味ではないか、と思うようになりました。
 実際、競走馬を買ったり、悪い女性に貢いだりすることに比べたら、はるかに安い趣味。
 
「すでに価値の定まったものをコレクションする」というのは、普通の生活をしている人たちにとっては不可能に近いです。それなら、こういうふうに手が届く範囲で自分の好きなものを集めていくのがいいのかもしれませんね。
 そしてそれが、将来的に価値が上がっていけば、言うことなしなんですが。

 しかし、この200万円のマンガ古書、もし奥さんとかがいたら、罵倒されること間違いなし、のような気がします…