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| 2002年09月26日(木) ■ |
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| 2002年9月26日。 |
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時事通信の記事より。
【プロ野球セ・リーグの最下位となった横浜の森祇晶監督(65)が、任期途中で退団することが、26日に決まった。 大堀隆球団社長が同日、広島遠征から帰京した森監督を横浜市内の球団事務所に呼び、事実上の解任を通告した。今年は3年契約の2年目だが、契約は26日付で打ち切られ、27日の阪神戦から残り14試合は黒江透修ヘッドコーチが指揮を執る。】
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森監督といえば、西武ライオンズの黄金時代を作り上げた「名将」。 いままでの監督生活で、Bクラスは一度もなかったそうなのですが、今年は早くも最下位が決定し、ついに解任となってしまいました。 しかし、最下位とはいえ、森監督自身の責任というのが、今年の横浜の成績にどのくらいあるのか?といわれると、首をかしげざるをえません。 ここ数年の横浜ベイスターズは、日本一になったときのメンバーである佐々木、小宮山、谷繁、ローズ、野村といった主力選手が、相次いでFA移籍や解雇・故障でいなくなってしまい、戦力的にはかなり厳しい状況。まあ、「どんなに頑張っても、Aクラスは厳しいだろうなあ」というのが、多くの野球ファンの見解なんじゃないでしょうか。 むしろ、あの戦力で、よく戦っているもんだと思っていたくらいなのですが。 いくら名将が指揮をとっても、選手の能力が足りなければ、やっぱり優勝なんて、できないものだと思います。 今回の解任劇には、横浜の親会社がTBSに変わったことなどが影響していると言われており、球団フロントも「監督の責任じゃない」という人もいるようですから、原因はともかく、結果について指揮官に詰め腹を切らせたということなのでしょう。
この解任劇で痛切に感じるのは、人間が能力を発揮するには、やっぱり環境が必要なんだなあ、ということです。森監督自身の監督としての能力は、たぶん西武時代とそんなに遜色ないと思われますから。 少なくとも、今の横浜の戦力では、優勝はおろか、3位以内に入ることも困難なのは自明の理(横浜ファンの皆様、申し訳ありません)。 「6位の戦力のチームを4位にする」ということは、実際のところ「優勝できるだけの実力を持ったチームで優勝する」というのと同等、あるいはそれ以上に難しいことかもしれないのに、実際は、その監督の能力って、評価されることはほとんどないんですよね。 確かに、「選手がFAで、出ていってしまったこと」には監督の責任もあるのかもしれないし、「勝てるチームを勝たせる」という采配と「負けるはずのチームに力を出させる」という采配は異なるものなのかもしれませんが、こうして考えると、野球界には、環境に恵まれず、もしくは実力を評価されずに終わってしまった、隠れた「名将」が沢山いたのではないかなあ、という気がします。強いチームを任せられれば、何度も胴上げをされたはずの監督。逆に、環境に恵まれたために「名将」となった人もいるんでしょう。 よく、指揮官の能力の大切さを説く言葉として「1頭の羊に率いられたライオンの群れより、1頭のライオンに率いられた羊の群れのほうが強い」なんていうのが引き合いに出されるのですが、多少の力の差ならともかく、僕はどう考えても前者のほうが強いと思うのですが。 野球チームには、個人の能力の差はライオンと羊ほどはないのかもしれないけれど、指揮官の能力を発揮するには、よい環境は必要不可欠。やっぱり、巡り合わせとか運といったものを無視することはできないと思います。環境そのものを自分で変えていけるほどのカリスマ性を持つ人も、歴史上は存在するのかもしれませんが。
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