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2002年09月25日(水)
2002年9月25日。


「幽玄漫玉日記・6巻」(桜玉吉著・エンターブレイン)より。

(鬱状態の作者が、外出もままならず、インターネットのソリティアにはまっているときの状況)

【この日もじんわりと酔いながら、1日の大半をソリティアに没頭し、気づけば1000点から始めたゲームは15万点を超えていた。
 オンラインのソリティアは、点数を送信し、ランキングを見ることができる。
 こんなバカ長時間ソリティアだけをやっている人間など他にいるとは思えず、普通に一番だろうとこの日初めて送信してみると、20万点の奴がいた。
 マンスリーランキングを見たら、5200万点の人がいた。

 どういう暮らしをしている人間なのか少し想像してみる。】

〜〜〜〜〜〜〜

 インターネットのソリティアって、やったことありますか?
 トランプのカードを使ったパズルゲームなのですが、一昔前の(今も?)WINDOWSマシンのオマケのゲームとしては、定番でしたよね。
 誰でも一度はハマったことがあったと思われるゲーム。
 玉吉さんがほぼ1日やっていて15万点ということは、20万点というのは、技術的なこともあるんでしょうが、ほんとに一日中ソリティアをやっている、ということなんでしょうね。この時期の玉吉さんは、鬱のピークの時期で、「単純作業をしていると、ものすごく気が楽」な状況だったにもかかわらず、それ以上の人がいた、ということなのですね。
 そして、1ヶ月で5200点というと、30日として、1日平均17万点以上…ほんとに、1ヵ月中ソリティアをやっている人としか考えようがないのです。この人は、まあ、単なる凄いソリティア好き…じゃ、ないだろうなあ、やっぱり。

 ところで、話はとんでしまうのですが、このハイスコア競争の件を読んでいて僕が思い出したのは、20年位前に爆発的に流行った「ゼビウス」(ナムコ)という大ヒットゲーム。
 当時は、ゲームのスコアアタック(要するに、いかにして高得点をとるか、という競争)が華やかなりし時代で、この「ゼビウス」は、なかでもとくに人気の高いゲームだったため、争いが激しかったのです。
 このゲームは、1000万点でカウンターストップ(999万9999点)で、それ以上はスコアが上がらなくなるのですが、ある日、ついにそこに辿りついた猛者が現れました。なんと彼は、トイレの時間だけ友人に代わってもらい、朝早くからゲームセンターの営業時間終了後までかかって、この大記録をなしとげたのです。達成時には、期せずして店内は拍手に包まれたとか。
 それ以来「ゼビウス1000万点」は、ゲーマーの登竜門となったのでした。いやあ、一口にいうけれど、「ゼビウス」は、けっして簡単なゲームではなかったし、一日中集中力を切らさないのは、ほんとにすごいことだと思います。
 今では、ゲームセンターもさびれてしまったところが多く、スコアの無いゲームも増えてしまったのですが、かつては、そんなふうにゲームに青春を燃やした人々もいたんですよ。
 そういえば、僕の人生に青春は無かったなあ、などと思いながら30になったのですが、この件をみて、そういえば、こんな「青春」もあったなあ、というようなことを思い出したものですから。
 
 しかし、デイリーのスコアはともかく、マンスリーは、やっぱりある程度病的でないとたどり着けないような気がしますが。
 「気分転換にゲーム」じゃなくて、「気分転換にリアルライフ」って感じなんだろうなあ…